「中村小(東京都練馬区)少年使節団」奄美で名瀬小と交流会

泉芳朗の詩「断食悲願」」を朗読した石段で記念撮影する交流会参加者


自己紹介する中村小の児童たち。左端が五月女使節団長


児童たちのサンシンやチヂンに合わせて全員で六調を踊った

泉芳朗の詩「断食悲願」朗読
「次の世代へつなげよう」(名瀬小・白濱さん)

 コロナ禍で途絶えていた東京都練馬区立中村小学校(中村直人校長)の「少年使節団」メンバー児童16人が奄美群島日本復帰70周年のお祝いに駆け付けた。28日には、名瀬小学校体育館で「奄美群島日本復帰70周年記念 中村小・名瀬小少年少女使節団交流会」が開かれた。名瀬小吹奏楽部の演奏が響く中、出迎えた名瀬小6年児童代表の白濱ひなのさんは「体験活動を通して良い思い出にし、次の世代へつなげていこう」と呼び掛けた。両校は昨年の秋からリモート学習を続け、名瀬小の石段で「復帰運動の父」泉芳朗の詩「断食悲願」を朗読するために練習を続けてきた。中村小6年で使節団長の五月女桜彩=さあや=さん(12)「奄美の歴史と難しい言葉がたくさん出て、朗読の練習は大変だった」と感想を述べた。

 同使節団は、奄美群島が日本復帰する際に、中村小から児童2人と教師が「少年使節団」としてお祝いに来島。同使節団を歓迎・交流を行ったのが名瀬小の児童たちで、当時6年生で歓迎会に出席していた島岡稔さん(82)が中村小の使節団の2人と40年後に再会。その後、使節団の一人・高橋孝泰さんが奄美へ再訪したことから、1997年に中村小開校50周年を記念して中村小の「新・交流使節団」が来島、44年の時を経て両校の交流会が再開した。

 その後も交流は続いたが、コロナ前の2018年に名瀬小の使節団が中村小を訪れたのが最後となっていた。当時名瀬小6年生で、現在大高2年生の花田心優=みゆ=さん(16)ら6人も使節団で交流会に参加。「初スキーを楽しみ、交流会に参加できたのは一生の思い出。今回もこうして参加できるのは感慨深くうれしい」と喜びを語った。

 中村小の児童たちは「東京の学校の中で奄美との交流は中村小だけ。給食で鶏飯も食べた。校庭が天然芝生で、鼓笛隊は全校の憧れ、聴いてほしい」とPR。名瀬小の歓迎会を締めくくる六調では、見よう見まねで一緒に踊っていた。

 島岡さんは、今年の復帰記念日に合わせて絵本作家のいのうえゆりこさんたちと絵本を作成していることを明らかにした。