南部の一部が暴風域入り

南部の一部が暴風域入り

台風6号の影響で防波堤に打ち寄せる波=1日午後0時半ごろ、和泊港=

台風6号接近
与論で最大瞬間風速26・7㍍ 高波、暴風に警戒を
2日、しまバスも運休

 大型で非常に強い台風6号は1日午後3時現在、沖縄県那覇市の南東約170㌔にあり、同海上を時速15㌔の速さで西北西に進んでいる。奄美地方は南部・北部が強風域にあり、南部の一部が暴風域に入った。最接近は南部・北部ともに1日夜遅くの見込み。名瀬測候所は高波や暴風に警戒するよう呼び掛けている。

 台風6号は30日午後3時現在、中心気圧は930ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は50㍍で、最大瞬間風速は70㍍。東側280㌔と西側220㌔以内が暴風域、北東側600㌔と南西側500㌔以内が強風域となっている。

 最大瞬間風速は1日、午後1時8分に与論町で26・7㍍、午後3時44分に天城町で24・7㍍、午後1時43分に伊仙町で24・5㍍などを観測した。

 奄美地方は全域に波浪警報が発表され、南部では1日午前に暴風警報も出された。県防災Webによると1日午後5時現在、知名町と与論町で警戒レベル3(高齢者等避難)が発令。県大島支庁、知名町、和泊町、与論町が警戒本部を設置し、知名町を除く南部5町では避難所が開設された。

 九州電力によると、伊仙町と徳之島町では一時、2610戸が停電。停電は各地で相次いでいる。

 台風6号は、非常に強い勢力を維持したまま2日にかけてかなり接近する。南部は2日夕方頃まで暴風域の恐れがある。ただ台風は3日以降、東シナ海で速度が遅くなるため、奄美地方は荒れた天気となるなど影響が長引く恐れがある。

 2日に予想される最大風速(最大瞬間風速)は、北部20㍍(同30㍍)、南部25㍍(同35㍍)で、波の高さは北部9㍍、南部11㍍。3日午後6時までに予想される24時間降水量は、いずれも多い所で100~150㍉となっている。

 名瀬測候所はうねりを伴う高波への厳重警戒、暴風への警戒のほか、土砂災害や大潮と重なる高潮などに注意するよう呼び掛けている。

 なお、1、2日は奄美群島を発着する海、空全ての便が欠航となっている。2日はしまバスも終日運休する。

夏祭り台風影響
八月踊り、パレード中止
奄美まつり 花火・舟こぎは延期 喜界町、知名町も延期

 奄美地方に接近している台風6号は、今週予定の夏祭り日程にも影響を与えている。奄美市名瀬で行われる奄美まつりは、祭り初日(3日)の演歌と踊りの祭典は予定通り開催されるものの、花火大会と舟こぎ競争は延期、5日の八月踊りと最終日(6日)に予定していたパレードは中止が決まった。今度の土曜・日曜日(5、6日)に計画していた喜界町と知名町の夏祭りはいずれも延期して開催する。

 奄美まつり協賛会(事務局・市紬観光課)は1日午後、名瀬総合支所会議室で臨時総会を開催し日程変更を協議。その結果、演歌と踊りの祭典は午後6時から奄美川商ホール(奄美文化センター)で開催。4日に予定していた花火大会「花火だよ!全員集合」は、8日以降で日程を調整中。5日に予定していた舟こぎ競争は12日に延期されるが、組み合わせは再抽選含め検討中。6日のMBC奄美やちゃ坊相撲大会も中止が決まった。

 日程変更について安田壮平市長は「とても楽しみにしていただけに残念。安全第一のため、ご理解・協力いただきたい。(延期の)花火大会、舟こぎ競争については、市民と一緒に盛り上げてきたい」と述べた。

 喜界町は1日午前、協賛理事会を開催。町企画観光課によると、夏祭り日程は19、20日の土曜・日曜日に延期。プログラム内容に変更はなく、そのままスライドさせるという。知名町(ふるさと夏まつり&大山祭)は1日午前に日程変更を発表。町企画振興課によると、26、27日の土曜・日曜日に延期され、プログラムはおおむね当初の計画通り開催するという。