沖永良部高エイサー観客を魅了

2番目に登場し、観客を魅了した沖永良部高校のエイサー

かごしま総文 郷土芸能部門が閉幕

 第47回全国高等学校総合文化祭(2023かごしま総文)の郷土芸能部門の最終日が1日、奄美市名瀬の奄美川商ホールであった。この日は26校が舞台上で熱演し、会場を訪れた多くの来場者を魅了した。伝承の部鹿児島県代表の沖永良部高校が2番目に登場。「えらぶんちゅ(沖永良部の人)」の一生と島に伝わる伝統をエイサーで表現、観客を魅了し大きな歓声と拍手が送られた。

 沖永良部高校の舞台を見た、平山和仁さん(和泊町・72)は「演奏が始まると涙が出た。感動という言葉では言い表せない心に響くものがあった」と目頭を熱くし、「子どもたちから文化のすばらしさをあらためて教えられた。島の文化を守っていってほしい」と話した。

 郷土芸能部門は7月30日~8月1日の3日間で予定されていたが、台風6号の影響で7月31日が中止となり、同日分の演奏は同30日と8月1日に振り分けられたが、2日間で予定していた全52校が舞台に上がり、1日に無事幕を下ろした。

 最終日のオープニングは、和太鼓の部鹿児島県代表の鹿屋農業高校が壮大な和太鼓の演奏で会場を盛り上げた。昨年優秀賞に輝いた、愛知県代表の日本福祉大学付属高校が総勢50人の一糸乱れぬ演奏で全52校の最後を締めくくった。

 特別演奏は奄美高校が「奄美=シマ=の音色=おと=」、奄美大島の歌手元ちとせさんがシマ唄をはじめ2曲を披露。会場では八月踊りを踊る姿や演奏に合わせて歌う人が多く見られた。

 和太鼓部門の最優秀校に愛知県代表県立松陰高校、優秀校に同県代表日本福祉大学付属高校、和太鼓の部の最優秀賞に沖縄県代表県立八重山農林高校、優秀賞に岩手県代表の県立北上翔南高校が選ばれた。4校は、東京の国立劇場で開催される全国高等学校総合文化祭優秀校東京公演へ推薦される。

 かごしま総文の他部門は、4日まで県内各地である。

 

沖永良部高、笑顔で演技

演技を終え、みんな笑顔で記念撮影する、沖永良部高校エイサー部のメンバー

「100%力出し切った」
かごしま総文

 1日、かごしま総文の郷土芸能部門で沖永良部高校エイサー部員18人が、全国の舞台を笑顔で熱演した。同校は伝承の部の鹿児島県代表として7回連続の出場。演目「うむい~咲かちやりくぬ~」を披露。島に受け継がれるグムチ踊りで、赤子が生まれた宴会から始まり、島に古くから伝わる「子守歌」、「えらぶゆりの花」、正名地区の正名ヤッコ、米寿を祝うサイサイ節、33回忌で踊られる「ひやるがサッサー」、最後に「スーリー東」、「唐船ドーイ」と、「えらぶんちゅの」一生を表現、観客を魅了した。

 演技を終え、部長の松下夢さん(3年)は「他校の演技を見て全国のすごさに緊張したが、100%力を出し切り演技は120点」とほっとした表情を浮かべた。

 宮脇慶次顧問(54)は「生徒が納得のいく演技ができたことがうれしい。地元開催で大勢の関係者の前で披露でき、恩返しもできた。一生の宝物になった」と語った。

 2年生の西那穂さんは「観客の多さに足が震えたが最後は笑顔で踊れた。8回連続を目指すプレッシャーはあるが、進化して来年も全国の舞台に立ちたい」と気を引き締めた。

 1年生の横山楽歩さんと高瀬三菜美さんは「緊張したが、精いっぱい気持ちを入れて踊れた」と笑顔を見せた。

 2年生の渡辺音愛さんの母、加織吏さん(39)は「みんなの頑張ってきた姿を思い出し、感動して涙が止まらなかった。みんな笑顔で良かった」と話した。