外来カイガラムシ被害

奄美市笠利町にある観光地・あやまる岬観光公園内のソテツでも外来カイガラムシ被害が確認された

ソテツの葉には白く丸い殻が、びっしりと付着している

笠利町あやまる岬で確認 観光地、ソテツの群生も
「指定管理者に連絡し伐採」

 ソテツを枯らす外来カイガラムシ(アウラカスピス ヤスマツイ=英語表記の通称CAS〈キャス〉)被害が、奄美市笠利町の観光地・あやまる岬でも確認された。岬周辺には遊歩道が設けられた群生地(ソテツジャングル)もあり観光資源になっていることから、同市笠利総合支所では被害の状況を確認した上で観光公園の指定管理者に連絡し、対策を求める方針だ。

 あやまる岬は、岬から眺める景色が奄美十景にもなっている観光スポット。公園施設(海水プール、多目的広場、遊具施設など)、高台の駐車場から展望スポットまでの歩道、県道から入るソテツジャングルに加えて、国民宿舎跡地にはトイレも備えた休憩施設が整備された。民間が運営するカフェ(お土産販売、観光案内機能も)もある。

 一帯には多くのソテツが自生する。CAS被害が確認されたのは岬入り口のロータリー状になった駐車場。中央部分には大きな岩が取り囲むようにして円形を作っているが、その中に10株ほどのソテツがあり、うち一つに被害が出ている。幹の上部の葉は裏側の付け根部分から白い粉に覆われたような状態となっており、びっしりと付着(1㍉程度の白く丸い殻)している。葉の色も他は青々とした緑なのに対し薄緑、黄色く枯れたような色も見られる。

 同支所産業振興課は「CAS被害が報告されてから町内を見て回ったが、公有地では確認されていなかった。(民有地では確認されているかもしれないが)町内では初めての被害であり見回りの頻度を増やしたい」とするとともに、あやまる岬観光公園での被害発生について「公園を管理する指定管理者に連絡し、葉の伐採など早急な対策を働き掛け、被害拡大を食い止めたい。ただ現在台風接近中であり、安全な状態を判断した上での作業になる」としている。

 これまで奄美市内のCAS被害は、名瀬湾周辺を中心とした名瀬地区や住用地区では確認されていた。