奄美7市町村で大雨警報

大雨(土砂災害)警報が出された奄美大島では各地で激しい雨に見舞われた(7日午後0時20分頃奄美市名瀬佐大熊)=一部加工しています

宇検村で崩土も 土砂災害や暴風に厳重警戒
台風6号

 台風6号は7日午後3時現在、奄美市の東約150㌔にあり、奄美地方を風速25㍍以上の暴風域に巻き込みながらゆっくりとした速さで北に進んでいる。南部の一部で暴風域は抜けたものの、南部の一部で8日夕方、北部は9日午前中まで暴風域は続く見込み。7日は、各地で激しい雨が降るなど奄美大島や徳之島で大雨警報も出された。宇検村湯湾では崩土も発生しており、名瀬測候所は暴風や土砂災害などに厳重警戒するよう呼び掛けている。

 7日は、奄美市笠利町で午前4時41分に最大瞬間風速28・8㍍の風を確認。奄美市名瀬などでは1時間雨量が30㍉を超える激しい雨が降り、午後4時までの降り始めからの降水量(アメダス速報値)は、奄美市名瀬で446・5㍉、瀬戸内町古仁屋で302・5㍉などを観測した。

 奄美地方では7日午後5時現在、暴風波浪警報(全域)に加え、奄美市、大和村、宇検村、瀬戸内町、龍郷町、徳之島町、天城町の計7市町村で大雨(土砂災害)警報が発表されている。奄美大島5市町村は警戒レベル4、喜界町と徳之島3町は警戒レベル3を継続。和泊町、知名町、与論町の3町は午前中に避難発令を解除し、各本部を情報連絡体制に切り替えた。

 奄美群島では7日、宇検村湯湾の赤土山公園付近の湯湾新村線道路で土砂崩れが発生した。一時通行止めとなったが、土のうで対応するなど復旧している。与論町や天城町では、建物の一部が損壊する報告もあったが、暴風域から出るのを待って調査する。九州電力によると午後4時現在、知名町で約390戸が停電している。

 台風6号は7日午後3時現在、中心気圧は970ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30㍍で、最大瞬間風速は40㍍。全域200㌔以内が暴風域、全域390㌔以内が強風域となっている。8日は、勢力をやや強めながら奄美大島の東の海上を北上するとみられる。

 8日に予想される最大風速(最大瞬間風速)は南部25㍍(同35㍍)、北部28㍍(同40㍍)で、波の高さは南部6㍍、北部7㍍。8日午後6時までに予想される24時間降水量は、多い所で南部200㍉、北部300㍉となっている。

 名瀬測候所によると、9日にかけては猛烈な風が吹き、線状降水帯が発生して大雨災害の危険度が急激に高まる可能性もある。土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫、暴風への厳重警戒、うねりを伴う高波などへの警戒などを呼び掛けている。