奄美大島でのぶらり旅が本に

完成した本を手にする著者の一人のライターMさん

Marcionの匣著
『アマミオオシマ』完成、17日発売

 日本の神社仏閣を巡り、地元料理を食べ歩くグループ「Marcionの匣(マルキオンのはこ)」の8人が旅した奄美大島での体験や発見、交流をつづったぶらり旅書籍『アマミオオシマ―セレンディピティを楽しむこと・巡礼と鎮魂』(知玄舎発行)がこのほど、完成した。著者の一人で奄美大島を旅したライターMさんは「たまたま出会った人とのつながりなどを楽しんで」と話している。

 旅はノープランで「偶然の出会いと聖地訪問が目的」とライターMさん。人伝いに知り合った初対面の8人が今年5月19日に東京を出発。計画も立てずに奄美大島を旅した2泊3日の記録を書籍にした。

 本では、島にある教会やユタを訪ねる話、ハンセン病に理解を深める話、画家の田中一村を巡る話をはじめ、旅先で出会った人やグルメ、観光地や文化の話などを10章126㌻に詰め込んだ。

 ライターMさんは、「教会はとてもフレンドリーで、奄美和光園でも気さくに話を聞かせてもらえるなどオープンさに驚いた」と、厳格さとは異にする印象に仰天。田中一村についても「本で知る苦しい暮らしぶりではなく、貯金もあって(終焉=しゅうえん=の家を)御殿と呼ぶなど、豊かな植物を見て創作生活に意欲をたぎらせていたのでは」などと分析する。

 このほか各章では、人との交流や文化体験も色とりどりに探求。結びでは「みんなが仲良くなれる奄美大島など」と振り返っている。

 本はA5判カラーで、17日に発売開始。一部書店やネットなどで購入できる。税別800円。