天城町産マンゴー品評会

写真左から金賞の近田さん、銀賞・貞山さん、銅賞・永田さん(代理)=8日、天城町

苦境下にも笑顔
近田さん2年連続「金賞」

 【徳之島】今月1日開催した2023年度天城町産マンゴー品評会(町園芸部会、町熱帯果樹生産組合主催)の表彰式が8日、同町農業センターであった。金賞は近田伸行さん(46)=同町前野=が2年連続で獲得。台風による離島物流のまひ、滞貨の長期化が深刻化する中で県内の草分け産地として品質向上・維持への気概を高め合った。

 同町では1985年に農家有志らがマンゴーの試験栽培に着手。町側は重点品目に位置付けてビニールハウスなど施設整備でテコ入れしている。町内の栽培面積は現在、約5・5㌶(約50戸)。町産マンゴー品評会は生産振興、消費者への高品質果実の提供などを目的に開いている。

 町農業センターであった今年の品評会には町内の6戸(6点)が出品。町や県大島支庁徳之島事務所農業普及課、JAあまみの関係者ら5人が玉ぞろいや着色、果皮障害、糖度などを厳正審査した。

 集計の結果、金賞には2年連続で近田さん出品のマンゴーが輝いたほか、銀賞は貞山博一さん(41)=天城、銅賞には永田一司さん(65)=兼久=が受賞した。台風6号の影響で表彰式は延期していた。

 森田弘光町長はあいさつで「台風6号の影響(約10日間出荷停止)で離島の農作物、特に熱帯果樹栽培の難しさを痛感した。自然相手だが、お互いに知恵を絞ろう。行政として物流対策はしっかり考えたい」と述べた。審査委員長の碇本順一町農政課長も講評で「第一印象は外観がきれい。糖度(最高18度、平均16・5度)が気になった。沖縄に次ぐマンゴーの一大産地。船便出荷に頼るが、台風が来ても所得が安定する対策を考えたい」と励ました。

 金賞の近田さんは「栽培では特に日照時間(過不足調整)に気を使った。今後の課題は糖度のアップ」とし、物流混乱・滞貨については「私個人の収穫は後半だが、今がピークの生産者は大変。廃棄処分話も聞いた。飛行機の臨時便で一気に運べる体制も欲しい」と話した。