東京名瀬会、総会・懇親会

「78年前のことをみんなで復習したい」と講演した平榮光さん

恒例の全員での記念写真に納まる参加者たち(提供写真)

「『すっとごれ精神』が支えている」
日本復帰70周年記念講演も

 【東京】東京名瀬会(中川裕雄会長)はこのほど、千代田区の主婦会館で第96回(2023年東京名瀬会総会・懇親会を開催した。来賓、会員合わせ約100人が集い、にぎわった。奄美群島日本復帰70周年記念特別講演も行われ、出席者は当時に思いを寄せていた。

 第一部・総会は、高田秀輝幹事長の司会で進行。郷土遥拝、名瀬市民の歌斉唱などに続いて中川会長が笑顔で登場。「諸先輩が郷土愛で築かれてきた伝統を今後も引き継いでいきたい」と力強くあいさつした。会務報告など議事が終了。中濱寛事務局長の来賓紹介の後、奄美市の諏訪哲郎副市長が安田壮平市長の祝電を代読し、東京奄美会の江浪まつみ事務局長が自己紹介を交え、井上脩士東京奄美会会長のコメントを披露した。惠原睦男副会長の閉会宣言に続き、元琉米文化会館職員で元アメリカ銀行副頭取補の平榮光さんが登壇。「祖国への復帰運動は決死の民族運動だった」の演題で復帰70周年特別講演をした。

 平さんは「当時あった測候所の2本のタワーだけを残し、名瀬が焼け野原になった」と終戦直後を語った。また「米兵がいなくなったのを見計らって牛、豚をと殺して村中に配った」「中学生の時、火薬を取り出し不発弾を処理撤去した」などと不自由な8年間の米統治下を振り返り、「今の奄美は、(泉芳朗先生ら)先輩たちの『すっとごれ精神』が支えている」と締めくくった。

 第二部は、茂雄次会計長の司会で懇親会へ。小勝竹雄顧問の乾杯を合図に歓談の花が咲いた。脇田真由美さん、福山桃子さんのシマ唄で余興がスタート。久永さとみさんが新民謡を、平田輝さんがポップスを、瀬戸内三郎さんが演歌を熱唱し、盛んな拍手を浴びていた。ほか、ものまね(しまらっきょ)、100円ゲームなどで盛り上がった会場は六調で最高潮に達し、恒例の集合写真でお開きとなった。