スプレーギク 80万本お盆間に合わず

保冷庫に山積みされたスプレーギクの入った商品箱(10日、和泊町の沖永良部花き専門農協)

 

 

台風6号出荷最盛期を直撃
11日から出荷再開も「値段不安」
 沖永良部花き専門農協

 

 【沖永良部】台風6号は、お盆に向けて花きの出荷最盛期だった沖永良部島を直撃した。和泊町の沖永良部花き専門農協には10日、お盆用に出荷を予定していたスプレーギクなど約80万本が保冷庫に残ったままになっている。11日から出荷再開のめどがついたが、花き専門農協の職員は「市場に届いてもお盆の時期は過ぎている。値段が付くかどうかわからない」と不安を漏らした。

 花き専門農協によると、コロナ禍で国内の花き産地が見直され、沖永良部島も夏場のキクの産地として全国各地の市場から注文数が増加していた。今年は、お盆用にスプレーギク約150万本の出荷を計画、今月7、9の両日に多くの注文が入っていたという。

 先月29日に出荷したのを最後に船の欠航が続き、花き専門農協の保冷庫に保管していた商品の一部は、品質の低下で廃棄を余儀なくされた。

 出荷再開が決まった10日、専門農協の職員らが各市場へ送る商品の仕分けや確認作業を行った。11日は、貨物船で約32万本を出荷する予定。再開は13日ぶり。

 沖永良部花き専門農協の三島生康組合長(64)は「離島では台風が来るたびに船が欠航し、長期化すれば、商品を出荷できず農家は生活ができなくなる。今後も同じことが起きる可能性は高い。自衛隊にお願いをして空輸してもらうなどの対策を考える必要がある」と話した。