4年ぶり、宇検村の集落で豊年祭 

芦検集落内の宮道を練り歩く「振り出し」の参加者

芦検集落に祭りの活気
「振り出し」で幕開け

 集落の安全や農作物の五穀豊穣=ほうじょう=を祈願する宇検村の伝統行事・豊年祭が12日、4年ぶりに芦検、屋鈍、久志の3集落を皮切りに始まった。芦検集落(前田勝彦区長、133世帯)では午後2時頃、まわし姿の男衆などによる「振り出し」で幕開け。住民や出身者など多くの人出でにぎわいを見せ、各集落は祭りの活気にあふれた。

 同集落のトネヤからスタートした振り出しは、殿様と露払いを先頭に男衆や子ども、婦人会など約100人が列をつくった。チヂンやホラガイが鳴り響く中、「ヨイヤーヨイヤーヨイヤー」の掛け声に「ワイドーワイドーワイドー」と声を返し、約50㍍の宮道=みやみち=から豊年祭の行われる土俵まで、30分以上をかけて練り歩いた。

 土俵上では豊年相撲が行われ、4人の幼児が初土俵を踏んだ。村指定無形文化財の「稲すり踊り」や八月踊りが繰り広げられ、さらに祭りを盛り上げた。

 殿様の大役を務めた松井勝さん(51)と露払い役の松井有生=ゆうせい=さん(50)は「子どもの頃から一緒にやろうと約束していた。祭りを通して集落が活気づけばうれしい」と話した。

 前田区長は「みんなの協力があって4年ぶりに祭りができ感無量。これから集落が一致団結して前に進める」と語った。

 能勢計子さん(90)は「感動で涙が出た。4年我慢して待ちに待った豊年祭は楽しい」と笑顔を見せた。

 同村の豊年祭は、9月17日までに全14集落である。今後は▽13日=田検、部連、佐念、平田▽20日=阿室▽9月9日=石良▽同10日=宇検▽同17日=生勝、湯湾、須古、名柄―の順で予定している。