世界・奄美のチョウ特別展

世界や奄美の珍しいチョウなどが展示された特別展

富川さん収集の約1720点
奄美博物館で31日まで

 奄美市名瀬の市立奄美博物館で、世界各地や日本国内、奄美群島に生息するチョウやクワガタ、カブトムシなど1720点の標本を展示した「富川賢一郎氏が収集した世界・日本・奄美のチョウ」特別展が行われている。15日まで第1部「世界と奄美」を行い、16日からは一部展示内容を変更し、31日まで「日本と奄美」をテーマに展示する。

 展示されているのは、奄美市在住の富川さん(73)が、約60年かけて奄美群島や国内外で収集した貴重なチョウなどの昆虫標本。昨年4月、富川さんから同博物館に寄贈された約7200点の一部で、奄美群島のみならず、日本国内や海外産のものも多く含まれている。

 奄美群島で採集されたチョウとしては、ツマベニチョウやアカボシゴマダラ、冬場に集団を形成し越冬することで知られるリュウキュウアサギマダラなどのほか、迷蝶から身近な種となったアオタテハモドキなどがある。

 ほかにも中南米に生息し、ハネの裏側にフクロウの目とそっくりの紋様があるフクロチョウや、北米などに生息する青い光沢のある羽が特徴的なモルフォチョウなども展示している。

 チョウのほか、奄美群島で採集したクワガタや世界各地のカブトムシなどの甲虫類なども多数展示している。大阪府箕面市から母親の実家のある奄美市に帰省中に、家族と博物館を訪れた小学5年生、徳山遙君(10)は「いろんなチョウやクワガタを見られてよかった。同じ種類でも羽の形や模様などが少しずつ違っているのが面白かった」と話した。

 富川さんは社会人時代に奄美群島や国内各地、マレーシアなどに足を運び採集活動を行ったほか、海外の収集家らと標本の交換などを行いさまざまな昆虫標本を集めた。中には、現在では入手が困難な種や採捕が禁止されている種などもあり、同博物館は「どれも貴重なものばかり。夏休みにぜひ多くの子どもたちに見に来てほしい」と来場を呼び掛けている。

 特別展に関する問い合わせは奄美博物館(電話0997・54・1210)へ。