笠利町あやまる岬ソテツ

CAS被害葉の切除が行われた、あやまる岬観光公園内のソテツ

被害葉切除、薬剤散布も

奄美市笠利町のあやまる岬観光公園に植栽されたソテツにも外来カイガラムシ(アウラカスピス ヤスマツイ=英語表記の通称CAS〈キャス〉)付着が確認されたが、被害葉の切除処理が行われた。薬剤も散布して対策を施すほか、他に被害が出ていないか一帯の確認も進められる。

CAS被害が確認されたのは、岬入り口のロータリー状になった駐車場中央部に円形に植栽されたソテツ。笠利総合支所産業振興課では被害状況を確認し対策の必要性を観光公園指定管理者に連絡した。

台風6号接近により暴風域が続いたため、管理者による作業は通過後に実施。頂上に伸びた葉のほとんどに付着していた幹だけでなく、一部に被害が確認されたものを含めて葉の切除(完全伐採)が行われた。公園内には多くのソテツが植栽されており、遊歩道が設けられた群生地・ソテツジャングルもある。確認に乗り出し、被害拡大を食い止める方針だ。

一般社団法人日本ソテツ研究会の髙梨裕行会長は「管理者に連絡したところ、関心を持ち丁寧に対応していただいた」とするとともに、「奄美・沖縄の離島を含めてCAS被害エリアの全容把握に取り組んでいきたい。被害敷地内では伐採が基本ではあるが、それでも台湾では自生地を残せなかった。登録済み農薬としてはマツグリーン2液剤(浸透移行性)の使用が有望だが、今後は海外で有効性が確認されている農薬を軸足とした、農薬の新規登録が必要ではないか」と指摘する。