喜界島特産の白ゴマ

台風6号の強風により倒伏した喜界島の白ゴマ。収穫を前にしての被害で生産量への影響は避けられない見通し

収穫面積の約半分被害
台風6号で倒伏、潮風害も
生産量落ち込み避けられず

 香りの良さが全国的に知られている喜界島特産の白ゴマは今月下旬から収穫を迎えるが、暴風域が3日間続いた台風6号により収穫面積の約半分に被害が確認された。被害は町内全域に及んでおり、生産量のダウンは避けられない見通し。

 国内で日本一の生産量を誇る喜界島の白ゴマ。品質の良さに着目し島外の複数の製油メーカーが栽培の委託をしている。約250戸が取り組んでいるが、ほとんどがサトウキビなどとの輪作。夏場はほ場が空いた状態となることから、その間に種をまいて育て収穫できるゴマは貴重な換金作物となっている。

 ゴマの収穫は9月上~中旬がピークで10月まで続く。今期の収穫面積は約100㌶。台風シーズンと重なるのが難点で、町農業振興課では今回の台風6号被害状況を約50%と県に報告。具体的な被害内容は強風による倒伏や折損、葉が枯れたような状態になる潮風害、さらに降雨によるほ場の浸水も。停電によりポンプが作動できなかったの影響したという。

 全体的には倒伏が目立ち、収穫を前に130~150㌢に成長した茎が倒れている。同課は「風除けにもなることから周辺に緑肥植物を植えているが、今回の台風では長時間暴風域が続いたこともあり、緑肥自体も倒れてしまった。ゴマを植え直すこともできるが、サトウキビの夏植え時期であり、ゴマは収穫できる分収穫し、サトウキビの新植を優先するよう生産者に呼び掛けている」とする。

 島内のゴマ生産量は約80㌧を記録した年もあったが、台風や大雨など気象条件に左右されている。台風がもたらした大雨被害により2020年は15㌧まで減少したものの、こうした被害がなかった22年は56㌧まで回復した。今年は30㌧を見込んでいたが、被害面積の多さから落ち込む見通しだ。