奄美市名瀬戦没者合同慰霊祭

奄美市名瀬戦没者合同慰霊祭で、犠牲者の冥福を祈り恒久平和を誓う参列者ら(15日、アマホームPLAZA)

終戦の日、平和の誓い新たに
犠牲者の冥福祈る

 終戦の日の15日、奄美各地で戦没者慰霊祭や追悼式が営まれた。終戦から78年を迎える中、参列者は先の大戦で犠牲となった人たちの冥福=めいふく=を祈り、恒久平和を誓った。奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)で行われた戦没者合同慰霊祭では、参列者が祭壇に手を合わせ戦没者を追悼。正午にはサイレンが鳴り響く中、全員で1分間の黙とうを行い、哀悼の意を示した。(9面に関連記事)

 新型コロナウイルス感染症の影響で3年ぶりの開催となった奄美市名瀬戦没者合同慰霊祭には、安田壮平市長や一般市民ら約70人が出席。同市名瀬傷痍=しょうい=軍人会の代表や地元選出の国会議員、県議、自衛隊関係者のほか、会場となったアマホームPLAZAを訪れていた高校生らも参列し、奄美群島日本復帰70周年の節目の年に、平和を願いながら犠牲となった英霊に思いをはせ、平和への誓いを新たにした。

 安田市長は「私たちが享受している平和と豊かさは戦没者の方々の重い犠牲の上に築かれていることを忘れてはならない。悲惨な戦争の惨禍を二度と繰り返さないためにも、その記憶を風化させることなく未来へと語り継ぎ、平和の尊さを若い世代に継承していくことが私たちに課せられた使命である」と述べ、戦没者を追悼。

 西公郎市議会議長は「ロシアのウクライナ侵攻など多くの国で紛争により罪のない人々の命が奪われている。武力を背景とした国家間の対立を繰り返さないためにも、一人ひとりが世界の恒久平和を追求し続けることの大切さを痛感している」などと述べ、平和の尊さを訴えた。

 式典終了後、一部の参列者は同市名瀬のあかさき公園に設置された慰霊塔を訪れ、鎮魂の祈りをささげた。