和歌山大学と連携協定

連携協力に関する包括協定を結んだ(右から)山元宗町長、和歌山大学の尾久土正己副学長、オンライン参加した本山貢学長=与論町=(提供写真)

新たな教育研究拠点施設の開設を祝い除幕した(右から)町岡光弘教育長と和歌山大学の尾久土正己副学長=与論町=

人材育成と町の課題解決に期待
与論町 新たな教育拠点施設開設

 【沖永良部】与論町と和歌山大学は17日、連携協力に関する包括協定を結び、町内に新たな教育研究の拠点施設を開設した。同町の山元宗町長は「大学で蓄積してきた幅広い知見や技術、人脈、地域貢献の経験を町にフィードバックしてほしい」と期待を寄せた。

 同町と和歌山大学は、2019年に観光振興に関する包括連携協定を結んでおり、星空ツーリズムや観光映像の推進など持続可能な観光地の仕組みづくりに取り組んできた。今回の協定では、地域社会の発展と学術の振興を目的に、人材育成や地域課題の解決など観光分野以外においても連携していくことを決めた。

 この日は同町役場多目的ホールで調印式があり、山町長や町岡光弘教育長、和歌山大学の本山貢学長(オンライン)、尾久土正己副学長らが参加した。尾久土副学長は「これまでの4年間、観光学部と町が連携し、取り組んできたことが形となった結果、一つ上の段階に進めるようになった。今後は大学の経済学部、工学部、教育学部、社会インフォマティクス(データサイエンス)の四つの分野から島の課題解決に協力していくことで、学生たちの研究や学びにつなげていきたい」と述べた。

 町岡教育長は「とても夢のある協定を結ぶことができた。大学との連携で交流人口は確実に増えるだろうし、町にとって新しい刺激になる。さらに島の教育や離島の経済的負担など、学術的に調査されていなかった課題についても研究が進んでいくだろう」と語った。

 調印式後、新たな開設した「和歌山大学与論島教育研究拠点」の除幕式が行われた。施設はヨロン島観光協会の向かい側の建物で、町営シェアオフィスとして和歌山大学以外の産学官も利用できる。