樟南二高女子寮が着工

樟南二高の女子寮新築工事地鎮祭・安全祈願祭(左・牧園校長と森田町長)=18日、天城町

天城町が財源を100%支援
来年度寮生募集へ

 【徳之島】天城町単独の財政支援による学校法人時任学園・樟南第二高校(同町天城、牧園弘光校長・生徒数219人)の女子寮新築工事地鎮祭が18日夕、同校敷地であった。町内唯一の高校の発展、町を担う人材育成に期待。地方自治体による私学施設への建設費全額支援は珍しい。2024度からの女子寮再開を目指す。

 樟南二高は1966(昭和41)年4月に開校(当時は第二鹿児島商工高)した全国離島では唯一の私立高。女子寮については、当初の「実習室」が「男子寮」を経て改修設置。島外中出身者を中心に計40人の女子生徒が寮生活を送り巣立った。しかし、施設の老朽化のため約4年前から「入寮者ゼロ」が続いている。

 地元天城町は要望にも基づき「学校の経営上、島外からの入学生の受け入れも重要事項。町が、魅力ある女子寮への建て替えに積極的に協力することで、学校の存続と島外・町外からの若者世代の人口増にも寄与。将来を担う人材育成にも貢献できる」など判断。町議会議決を経て今年度予算に計上していた。

 建設概要によると、敷地面積915・06平方㍍、女子寮本体は木造平屋建て(延べ床面積296・13平方㍍)。寄宿舎(個室6畳間)10室と寮監室1室のほか食堂ホール、共同浴場で構成。町単独事業(起債含む)による総事業費は1億5千万円。

 地鎮・安全祈願祭には関係者約30人が出席した。神事後、森田弘光町長はあいさつで「(町と同校間)連携協定を結び3年目。子どもたちの教育に一生懸命に頑張り、少子化の中で生徒数確保に苦労されている。天城町づくりは学校づくりも一緒と考えている」。

 牧園校長は「(島外からの元寮生は)徳之島が好きになって、町内に就職をしたり島の人と結婚するなど、島の人口増・活性化にもつながっている」。設計・工事監理業者の㈱奄美設計集団の建築家山下保博氏は同コンセプトも交え、女子寮の「愛称」募集案も称賛した。

 学校側は24年度入学案内に「女子寮受け入れ再開」などを告知する方針だ。