本音トーク・奄美

女性議員を増やす取り組みや議員活動などが報告された(平神純子代表=右=と松山小百合天城町議)

「細かい声拾う」「弱者への政治」
女性議員増やす 日頃の地域活動大事

 「鹿児島県内の女性議員を100人にする会」(平神純子代表)は19日、奄美市の名瀬公民館金久分館で「女性議員たちの本音トーク・奄美」を開いた。奄美群島内には7人の女性議員がいるが、出席したのは天城町の松山小百合議員のみ。「これが実態。次回(11月19日)に向けて改めて参加を働き掛けていこう」との声が上がるとともに、女性議員誕生に向けて日頃の地域活動の大事さが指摘された。

 同会は1996年に発足。県議会や市町村議会で女性議員を増やすことを目的に活動。県内43市町村のうち10町村が女性議員ゼロで、うち6町村を大島郡(大和村、宇検村、喜界町、徳之島町、知名町、与論町)が占める。

 南さつま市議である平神代表は「ゼロを解消していくためにも候補者の発掘、選挙や活動のやり方など当選まで支えていきたい。県本土でゼロを埋めてきた中、残りは奄美。今年秋の市議選、来年の奄美統一選(町村議選)をチャンスにしたい」とあいさつした。

 沖縄県出身だが、天城町出身の夫と結婚。昨年12月、町長選と同時に行われた町議選に立候補し初当選し、女性で初めて天城町議となった松山さんは地元でのPTA活動や地域行事の復活などに取り組んだことを語り、「地域の皆さんの後押しが当選につながった。当選後、3月、6月定例会で一般質問に立ち提案できた。男性議員はハード面やハコモノ整備などを取り上げるが、女性ならではの視点を大事にしたい。細かい部分の声を拾い行政に届けることを心掛けており、不妊治療への助成実現に向けて提案を続けたい」と意欲を示した。

 平神代表は「男尊女卑の風土の中、女である悔しさを感じてきた。出産後の子育てやPTA活動を通して政治に関心が向いた。公共事業よりも見えないもの、光があたらないもの、弱い立場の人たちのために議員活動をしている」と述べ、活動の模様を伝える「活動だより」を自ら作成し、配布にも取り組んでいることを報告した。

 傍聴者も1人にとどまった。龍郷町から訪れた坂井文麿さんは「多くの女性議員の本音のトークを聞きたかったが残念。次の機会では女性議員全員、さらに女性関係団体の参加を働き掛けてほしい。女性議員誕生には日頃の地域活動や地域コミュニティーに関わることが大事ではないか。女性議員の誕生・活躍を期待したい」と語った。