北大島保護司会研修

新たな「しょく罪指導プログラム」を活用した保護観察処遇について江﨑郁弥保護観察官から説明があった研修会

本人の言葉で記入「一番大切」
新たな「しょく罪指導プログラム」説明
実施対象 財産犯まで拡大

 北大島保護区保護司会(松田秀樹会長)は22日、2023年度第2期定例研修会を奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)で開いた。22年10月以降、保護観察所では、新たな「しょく罪指導プログラム」を活用した保護観察処遇を実施することになったことから、同プログラムの説明があり、最後の課程である「しょく罪の計画」は保護観察者本人の言葉で記入させることが「一番大切」とした。

 研修会には約40人の保護司が参加。「犯罪被害者の思いに応える更生保護」をテーマに、奄美駐在官事務所の江﨑郁弥・保護観察官が講師を務めた。

 新たなプログラムと旧プログラムの大きな変更点は、▽実施対象が財産犯まで拡大▽保護司と本人(保護観察者)が話し合いながら各課程のテーマに沿ったワークシートを作成▽全ての課程を修了した時点で主任官面接などを実施して被害者などに真摯(しんし)に向き合うための「しょく罪計画」を発展させ、その実行を促す―ことがある。

 プログラム実施対象者は、被害者を死亡させ、もしくはその身体に重大(要加療6月以上)な傷害を負わせた事件または被害者に重大(被害総額100万円以上の)な財産的損失を与えた事件による保護観察者。原則月に1回実施のプログラムで4か月かかるため、保護観察期間が3か月未満者は除外となる。

 指導プログラムは導入課程から始まり、第1課程(加害者の責任について知る)、第2課程(被害について知る)、第3課程(謝罪や被害弁償について)と続き、「しょく罪の計画」を立てる第4課程が最後。1~3課程まで学習後、最後に対象者は、謝罪や被害弁償を含め自分が犯した罪に対する責任を果たしていくための具体的な方法を考え、「しょく罪の計画」を立てる。江﨑観察官は「完璧な計画を完成させることが目的ではない。計画は常に見直され、実情に即したものになるよう何度でも計画を変えることができる。まずは、プログラムのまとめとして今考えていることについて本人の言葉で記入させることが最も大切」と述べた。

 現在、保護観察処分少年は北大島保護区管内では3人、少年院仮釈放と刑務所仮釈放はゼロで、執行猶予(保護観察付き)が5人。計8人が保護観察継続中となっている。