久原奈子さん(喜界小6年)民謡日本一

大会関係者から表彰状を受け取る久原奈子さん


優勝の賞状を手に誇らしげな表情の久原奈子さん(いずれも提供写真)

民謡民舞全国大会 小学校4~6年の部で
奄美勢奮闘、優秀賞に5人

 【東京】小中学生の民謡日本一を競う2023年度民謡民舞全国大会(公益財団法人日本民謡協会主催)は19、20の両日、台東区の浅草公会堂で開催された。小学校4~6年の部で久原(くはら)奈子さん(喜界小6年)が日本一の栄冠に輝いた。奄美勢の優勝は、22年度の峰岡歩嬉(ほこら)さん(中学生の部)に続き2年連続。奄美勢は他に5人が優秀賞を受賞するなど奮闘した。

 「みんなの応援があったからこそ。恩返しができました」。久原さん(12)は、晴れやかな表情で表彰状を受け取った。祖母から送られた大島紬のワンピースでの大舞台に「大きな声を出して、頑張ろう」と臨み、堂々と「よいすら」を熱唱。「めっちゃ、うまくいった。今までで一番の出来栄え」と手応え十分だったが、「まさか優勝するとは思わなかった。うれしくて涙があふれました」と日本一の瞬間を振り返った。

 小学3年の時に、図書館に職員として赴任していた唄者・川畑さおりさんの授業「シマ唄・三味線教室」に出席したのをきっかけに、安田民謡教室へ通い始めた。「しっかりしていて、おしゃべりが大好き」と長女(弟2人)の奈子さんを評する母・奈実さん。一方で「ほかの大会で悔しい思いもしてきたので、それをバネに頑張った。成長してくれましたね」と感激を抑え切れない様子だった。 

 全国各地から集まった精鋭73人の頂点となったヒロイン。次なる目標は「歌うことで、応援してくれる方や民謡教室のおばちやん(安田末子主宰)に喜んでもらうこと」だそうだ。将来は、唄者にはこだわらず「メーキャップアーティストになりたい」。はにかみながらも、しっかりと夢を語った。

 喜界町中央公民館に勤務する川畑さんは「熱心で、ものおじせず、当時から目の輝きが違っていた。シマ唄を未来に引き継いでもらいたい、期待の星の一人ですね」と教え子の快挙に言葉を弾ませていた。

 ほかに小学4~6年の部で峰岡朋輝さん(奄美芸能徳之島)、原美波さん(あやまる会)、芳村しずくさん(奄美芸能徳之島)、中学生の部で津畑杏朱さん(あやまる会)が優秀賞を受賞。19日の小学校1~3年の部では石井開道さん(奄美芸能徳之島)が優秀賞と奄美勢の健闘が目立った。