珍鳥「ソリハシセイタカシギ」が一挙5羽も観察

一挙5羽が飛来していた珍鳥「ソリハシセイタカシギ」=20日午前、徳之島町諸田


多種多様な野鳥の宝庫、「諸田池」の魅力を解説する指宿安夫さん

ラッキーな探鳥会に
徳之島町「諸田池」

 【徳之島】徳之島町亀津北区自治会(幸多勝弘区長)の「水辺の野鳥観察会」が20日朝、多種多様な渡り鳥たちの楽園となっている同町「諸田池」であった。全国的にも希少な珍鳥「ソリハシセイタカシギ」が一挙5羽も観察され、住民たちを感動させた。

 北区自治会(479世帯、1087人)は亀津市街地の大瀬川(県2級河川)を中心にした「みんなの水辺サポート推進事業活動団体」の一つ。コロナ禍の中断を経て観察会を計画し、潮時と河川水位の関係で観察地を「諸田池」(同町諸田)に変更。小学生から高齢者まで幅広い世代が足を運んだ。

 講師は元学校教師で野鳥を中心とした自然写真家・指宿安夫さん(75)=北区出身=が今回も担当。諸田池は、重い高倍率レンズのカメラを抱えた〝探鳥行脚〟先の一つ。今月11日以降「ソリハシセイタカシギ」5羽がとどまっているのを確認。指宿さんは参加者たちに「全国的にも珍しく確認できたとしても1~2羽。一度に5羽は一生に一度あるかないか、恐らくこれが最初で最後でしょう」とも。 

 チドリ目セイタカシギ科、体長は約43㌢。セイタカシギと似ているが、文字通りクチバシが上方に反っているのが特徴。日本では数少ない旅鳥または冬鳥として北海道、本州、九州、南西諸島、小笠原諸島で1―2羽で飛来するのが記録される。

 一挙5羽の飛来要因について指宿さんは、今月9日のオオアジサシ5羽同様に「台風(6号)の影響と思う」と推測する。

 父・中島純一さん(47)と参加した志温君(亀津小5年生)は「普段は見られないきれいな野鳥が観察できてとてもラッキー。夏休みの課題は終わったが、島の自然にも興味がある」。幸多区長(71)は「世界自然遺産の保全は、まず自分たちの足元の自然の価値を知ることだと思う」と目を細めていた。