4年ぶりに「ショチョガマ」復活へ

ショチョガマ祭場での設営作業に取り組むボランティアを募集している秋名アラセツ行事保存会の窪田圭喜会長(中央)と成海博文・秋名区長(左)、隈元信一郎・幾里区長(23日、奄美新聞社)

 

 

コロナ禍で中止する前、2019年9月にあった「ショチョガマ祭」

 

 

10日に設営作業、ボランティア募集
龍郷町秋名・幾里のアラセツ行事

 

 龍郷町秋名・幾里集落で伝承され、国指定重要無形民俗文化財となっている秋名アラセツ行事は、今年は9月25日(旧暦8月最初の丙(ひのえ)の日)に開催されるが、4年ぶりに「ショチョガマ祭」も復活する。同行事保存会(窪田圭喜会長)、秋名集落(成海博文区長)、幾里集落(隈元信一郎区長)は開催にあたり、竹やワラなどで造る片屋根構造のショチョガマの設営作業を行うが、両集落だけでは作業員の確保が懸念されるとして、協力をお願いするボランティアを募集している。

 ショチョガマは集落を一望できる山の中腹の祭場に建てられる。上に乗るのは男たちで、太陽が東の山の上に出る直前に揺すり倒し豊穣を祈願する。集団で密になった状態となり、大声も出すことから新型コロナウイルス感染症対策で中止が続いていた。

 感染症法上の位置付けが今年5月から季節性インフルエンザ同様「5類」に移行したことから、両集落が5月27日に開いた運営委員会で、平瀬マンカイ祭だけでなくショチョガマ祭も通常通り開催することを決定した。ショチョガマは午前5時から、平瀬マンカイは午後3時から予定している。

 ショチョガマは事前に片屋根を設営しなければならない。これまでは1週間~10日前に作業していたが、今年は町行事の関係もあり2週間余り早い10日の日曜午前8時から作業を行う。両集落とも少子高齢化で青壮年層が減少し、まとまった数の作業員確保が難しい。そこでボランティアの協力を求めることになった。男女を問わないが、男性が行うのは、前日までに準備される骨組みを片屋根状態に整えていくため、材木などの資材を祭場(集落内から約30㍍の高さにある勾配が急な坂道を移動)まで運搬する作業。参加するボランティアには作業のできる服装(長袖、手袋、運動靴)・熱中症対策をお願いしており、昼食は集落で準備するという。ボランティア保険も集落で対応する。

 陸上自衛隊や海上保安部、奄美警察署、地元龍郷町役場や奄美市役所など人数が確保できる機関の参加を期待しているが、それ以外の個人の参加も可能。保存会の窪田会長は「ボランティアを募っての設営作業は7年前から行っている。コロナ禍で中止する前には120人も集まり、坂道にそれぞれ配置し手渡しで資材を運ぶことができた。人数が少ないと何度も坂道を往復しなければならない重労働になるが、多ければ手渡しにより数回で済む。ぜひ多くのみなさんの協力をお願いしたい」と参加を呼び掛ける。

 ボランティア参加者で希望者は祭り当日、ショチョガマの上に乗ることができる。設営作業と祭り当日まで期間があるが、ブルーシートをかぶせて大切に保管するという。ボランティアに関する問い合わせは窪田会長電話090・4998・7012まで。