24年度予算概算要求

奄振約6・6%増213億6800万円
交付金20%増 住民の航空運賃軽減に沖縄路線追加

 【東京】国土交通省は24日、2024年度奄美群島振興開発事業関係予算の概算要求を発表した。公共、非公共を合わせた概算要求総額は、23年度当初予算比6・6%増の213億6800万円。公共事業は同5%増の185億1200万円、非公共事業は奄美群島振興交付金が20%増の28億4800万円となり、奄美群島振興開発調査費700万円と合わせて28億5600万円を計上した。

 同省の24年度概算要求で公共事業のうち、大きく増額した区分は農林水産基盤整備の76億3200万円で7%増。沖永良部島、喜界島の地下ダムや関連排水路整備などに54億9600万円で前年比5%増。森林整備、水産基盤整備は前年同額だが、奄美全体の農山漁村地域整備(交付金)が19%増の14億8200万円で全体を押し上げた。治山は、前年比13%増の4億1100万円。瀬戸内町、知名町など海岸線に位置する集落の風害、防潮対策などに9700万円(同20%増)、治水は大和村のダムの水質観測設備の更新などに1億2400万円、海岸は和泊港海岸ほかの老朽化対策、知名漁港などの護岸補修などに1億9000万円を盛り込んだ。

 道路整備は4億9000万円(同23%増)。橋梁(きょうりょう)やトンネルの整備及び、5年ごとの定期点検に必要な額として要求している。水道廃棄物処理は、32%増の7億4700万円。天城町、宇検村、瀬戸内町の簡易水道施設や、喜界町の一般廃棄物最終処分場の整備を見込んだ。

 一方、非公共事業の奄美群島振興交付金は従来通り、物資の輸送費支援、農林水産業の振興などに充てる。物資の輸送支援では成牛をと殺場へ運ぶ経費などが新たに盛り込まれた。

 また、航路・航空路運賃の軽減では、県内路線に限られていた住民に対する軽減措置に、沖縄路線が追加された。成長戦略の実現に向けた支援には、関係人口の拡大及び移住の促進、教育及び文化の振興、奄美群島の特性に応じた製造業の振興などが拡充された。7月28日に開催された奄美群島振興開発審議会の意見を反映した。