沖縄と奄美 交流拡大連携協定

「沖縄・奄美交流拡大連携協定」を締結した奄美、沖縄県の関係者(24日、県奄美パーク)

離島割引、沖縄便へ拡大
農林水産物輸送円滑化も

 離島割引、沖縄便も適用へ――。「沖縄と奄美群島との交流の拡大に係る連携協定」締結式が24日、県奄美パークイベント広場であった。藤本徳昭・鹿児島県副知事、竹田真・沖縄県企画部企画調整統括監、安田壮平・奄美群島広域事務組合管理者(奄美市長)の3者が協定書の内容を確認し締結した。奄美大島5市町村の代表ら関係者も出席した。

 両地域は2009年の交流拡大宣言に基づき、観光等のPR活動を連携するなど人的交流を図ってきた。連携交流促進事業では、航路・航空路運賃の支援が両県折半により行われてきた。

 今回の連携協定では、国・県・市町村が負担を担い、県本土~奄美群島や群島間に限られていた航空券や乗船券の割引(離島割引)を沖縄地域へ拡大する。開始時期は未定だが、奄美群島の住民を対象に、那覇―奄美群島各地間の運賃が約50%割引となる見込み。

 藤本副知事は「奄美群島振興開発特別措置法延長に向け、沖縄と連携した地域振興が必要。交流の円滑化を図るため沖縄を追加する」と明言した。

 竹田統括監は「世界自然遺産登録から交流は盛んになっている。さらなる強化を図る」と語った。

 安田奄美市長は「沖縄と与論は既に日常的な往来があり、経済的なつながりが深い。(締結を契機に)奄美・やんばる広域圏でヒト・モノ・ココロの交流を発展させていく」と期待を述べた。

 県離島振興課の陸川諭課長によると、3者協定は県が沖縄県に呼び掛けて実現したもの。個別の分野はこれからの検討としながらも、沖縄市場への農林水産物の輸送円滑化や青少年の文化交流、自然環境の保全・再生なども連携していくという。