特定外来種シロアゴガエル駆除作業

炎天下、特定外来生物シロアゴガエルの卵塊(泡巣)採取作業に汗を流す学生ら=25日、徳之島町「諸田池」
ボランティア来島中の帝京科学大生ら(右側の2人は虹の会スタッフ)

大学生ボランティア 徳之島入り、採取作業に汗

【徳之島】今年5月に特定外来種の「シロアゴガエル」の侵入が確認された徳之島で6月から、環境省の事業委託で駆除作業が本格化している。今月13日からは大学生ボランティアの援軍が同島入り。定着拡大が深刻化したため池などを対象に成体の捕獲や卵塊(泡巣)の採取作業に汗を流している。

駆除事業委託を受けているNPO法人徳之島虹の会(伊仙町伊仙)が、徳之島町「諸田池」などで昼夜、駆除作業を実施。猛烈な繁殖力もあって連日連夜の作業協力者も次第に不足している。暑い中での慣れない作業にスタッフの疲労、健康面も懸念されることから、交流のあった全国の大学職員を通じ、長期夏季休暇を利用した学生ボランティアを募集していた。

台風の影響で日程が大幅に遅れたが、13日からの第一陣は帝京科学大学(本部・東京都足立区)の生命環境学部の学生6人(25日現在)が来島した。

同島までの旅費は全て自己負担。宿舎(無償)で自炊、食費1日千円のみ支給の条件にもかかわらず、残暑厳しい中、昼間はため池など周辺の卵塊の採取や除草、ごみ拾い、夜はその鳴き声に耳を澄ませながらの成体探索、捕獲作業に挑んでいる。

同学部自然環境学科3年の輪座瑞明(わざみずあき)さん(20)は「学部的に自然環境の保全保護が目的。世界自然遺産のこの小さな島で、外来生物が侵入して暴れるのは困ると思った。私自身も南の島が大好き」。台風の影響で、那覇で長期足止めを食った第一陣の同学科2年の遠藤渡夢(あゆむ)さん(19)は「ボランティアに参加してみたかった。日差しがきつく夜は蒸し暑いが、シロアゴが捕れると楽しい」と紅潮した顔の汗を拭った。

ボランティアを募った虹の会の美延睦美事務局長は「素直で好奇心旺盛でいい子たちばかり。少しでも地域貢献にとの気持ちで遠路来てくれて感謝しかない。将来日本や世界の自然保護・環境保全を担ってくれると思う」と感謝した。

シロアゴガエル侵入定着の現状は、最初は8か所だったが現在は徳之島町井之川―伊仙町目手久まで計33か所で確認。捕獲・駆除数は成体1200匹、泡巣1900個(同日現在)に上った。「今年ふ化したオタマジャクシが既に幼体となって上陸しており、繁殖期は11月頃まで続くのではないかといわれ、気が抜けない状態」という。

学生ボランティアは同大のほか今後、京都市立芸術大、京都大大学院、鹿児島大大学院、三重大学など含め計11人を予定している。