観光マスタープラン策定委員会

奄美群島観光マスタープランの策定などについて協議した策定委員会の第1回会合(25日、奄美市)

一体的な観光振興目指す
今年度末策定に向け議論スタート
2024年度からの10年計画

奄美群島観光マスタープラン策定委員会の第1回会合が25日、奄美市名瀬のアマホームPLAZA(市民交流センター)であり、同プランのたたき台を基に意見交換などが行われた。マスタープランは、奄美群島の自然環境の保全と活用や文化の継承を図りながら、持続可能な観光振興を目指すことなどを目標としており、世界自然遺産登録などの効果を群島全体に波及させるための観光に特化した基本計画。計画期間は2024~33年度の10年間で、奄美群島広域事務組合が策定主体となり、来年1月頃までに2~3回の会合を開き、今年度末までにプランをまとめる。

委員は群島12市町村の観光担当課長と県PR観光課、県自然保護課、県大島支庁総務企画課の担当者、群島内の観光推進団体の代表ら22人で構成。委員長には委員による互選で宇検村企画観光課の辰島月美課長を選任した。

また、策定員会と連携し、計画策定に向けた助言などを行う有識者会議も設置。琉球大や鹿児島大、熊本大などの有識者7人を選任した。

この日示された、たたき台となる「奄美群島観光しまづくりプラン」(仮称)では、群島全体の観光振興の大きな方向性を示す一方、全体で取り組むことと、地域(島)ごとに取り組む内容を整理、各島との連携を図りながら、観光客にも住民にも満足度の高い観光地の形成を目指す方針などが示された。

取り組みの方向性としては①沖縄や屋久島などの周辺地域との差別化を図る「地域ブランディングの強化」②観光地として人気の高い沖縄県や屋久島など「隣接地域との連携強化」③質の高い観光開発とインフラ、交通利便性の向上④統計データの充実⑤群島全体での体制構築と人材育成・確保―の5項目を掲げた。

今後は各島に設置された分科会や有識者会議での議論なども踏まえ、奄美群島のブランドイメージの創出や群島全体への経済効果の波及、オーバーツーリズムの抑制などについて、群島が一体となった取り組みを促進、持続可能な観光地づくりの実現を目指す。