健康体験交流施設内の現状を確認するサウディング型市場調査の参加企業関係者ら
奄美市名瀬の大浜海浜公園内にある健康体験交流施設(タラソ奄美の竜宮)の新たな活用策などを検討するサウディング型市場調査が22日、同施設であり、市内7社、島外1社の計8社が参加した。市担当者から施設の概要などについて説明を受けた参加者らは、施設内を見学し設備の現状などを確認、再開に向けた今後の活用策などを探った。同施設は、島外企業の撤退により6月から休館となっており、市は施設の再生に向けたプロジェクトとして、企業などとの連携を模索。今後、民間からの意見提言などを基に、今年度末までに施設の活用方針や改修計画などを決定する。
サウディング型市場調査は、行政が民間事業者と連携して公共施設の整備や運営方法を検討するための調査方法。同市は、市街地から車で約20分と近い立地や大浜海浜公園の環境資源を活用することで、持続可能な施設再生に向け、民間企業からのアイデアや助言を求めることにしている。
22日は、市担当者がサウディング型市場調査の導入経緯などを説明。参加者らは、海水プールや地下のボイラー室、トレーニングルーム、レストラン、ウッドデッキなどの施設を見て回った。建設から約17年が経過、ボイラー室ではさびた配管やウッドデッキなどの老朽化が進んでいる現状などを確認した。
市は今後、さらにサウディングを行い、事業者から意見や提言を求め、施設の活用方針や改修設計・工事の発注方式などを決定する。
同施設は、海水を利用した入浴、運動施設として、奄美群島振興開発事業の非公共事業を活用、総工費約10億5千万円をかけ奄美市が整備した。
2006年12月のオープン以来、㈱ウェルネスデベロップメント(本社・東京都)が指定管理者として管理運営を行ってきたが、07年に年間10万8371人の利用があった以降は、年々利用者が減少、赤字経営が続いていた。
16年からは市が指定管理料として毎年度790万円の財政支援を実施したものの、20年度以降は新型コロナウイルス感染症の影響で利用者が大幅に減少した。市は指定管理料を増額するなどしたが、利用者の減少に歯止めが掛からない現状などから、今年5月末に同社が撤退。6月から休館が続いている。