宇検村、防災イベントを初開催

宇検村で初となる防災イベントが開催された(27日、元気の出る館)
多くの親子連れの来場者が楽しみながら防災を学んだ(27日、元気の出る館前)

災害に強い村づくりへ
楽しみながら知識深める

住民の防災への関心を深め、災害に強い村づくりを目的に宇検村は27日、村生涯学習センター元気の出る館で「防災フェスタ2023」を開いた。非常食の試食ブース、簡易トイレなど防災備品の展示があり、屋外では自衛隊、消防、警察の各車両が展開。消火器の放水体験、雲を作る実験も催され、多くの親子連れらが楽しみながら防災の知識を深めた。

今年6月、奄美地方で局地的な豪雨をもたらす線状降水帯が発生し、宇検村では一時6集落が孤立。その経験を踏まえ、村は例年関連機関と行う防災合同訓練に代わり、村民の防災意識を高めようと今回のイベントを初開催した。

会場では名瀬測候所予報官の山下千尋さん(47)が、線状降水帯などについて講話。気象庁のインターネットサービス「キキクル」を利用した情報収集、活用方法を解説。ほかにも、村女性消防団員による救命講習会を開催し、乳児に対する胸骨圧迫の方法を来場者に伝えた。

村役場総務課防災担当の俊岡秀人主査(61)は、今月、村の全世帯に配布した防災マップについて説明。「宇検村は、各集落の防災意識が高い村民性がある。今後も合同訓練と並行して防災フェスタを開催していきたい」と話した。

イベントに参加した宇検村区長会の藤村茂樹会長(70)は「以前から村の防災訓練に参加しているが、今回のフェスタはとても充実した内容だと感じた。災害に備えた各体験はとても大事。次回、多くの住民に参加してもらえれば」と話した。