4年ぶり「上嘉鉄盆おどり」

やぐらを囲んで4年ぶりの盆踊りに興じる上嘉鉄集落の住民たち

やぐら囲み宴に熱気
浴衣や法被姿、踊りの輪広がる

 喜界町上嘉鉄集落の夏の風物詩「上嘉鉄盆おどり」が25、26の両日、同地区振興センターであった。新型コロナウイルスの影響で開催は4年ぶり。浴衣や法被姿の若者や家族らがやぐらを囲み、待ち望んだ踊りの宴に酔いしれた。

 盆踊りは、集落の活性化などを目的に約70年前に上嘉鉄西で始まり、当初は結婚前の青年らが行っていたが、上嘉鉄中と東を巻き込み発展していく中で現在の形に定着。これまでは旧盆の中日と送り盆に行っていたが、2019年からは大勢が参加できるように週末に移動した。

 行事は、上嘉鉄青年団が主催。中央で手本となる踊り手は1か月前から稽古を始め、やぐらなどの舞台は3週間前から準備してきた。

 午後7時、会場を彩るちょうちんに明かりがともり、勇壮な太鼓の音が響いて盆踊りがスタート。やぐらでは、女性の踊り手が「ワイド節」や「ばしゃやま節」、「ハイサイおじさん」などの曲に合わせて踊りを披露し、若者や親子らが次々と飛び入っては輪を広げていた。

 会場では、焼き鳥やかき氷などの夜店も軒を連ねた。夜空では花火が集落を照らすなど、熱気ある踊りは夜更けまで続いた。

 上嘉鉄東の安藤和久さん(70)は「集落の人が減ってきたが、(盆踊りは)若い人のエネルギーにあふれ、上嘉鉄も捨てたものじゃないと再認識できた」と喜び、同青年団の前島将太団長(36)は「たくさんの寄付が集まり、成功できたことに感謝したい。4年ぶりで、みんなが吹っ切れたように楽しんでいるようで良かった」と話した。