徳之島署管内ネットワーク会議

条例制定の必要性も共有した「とくのしま被害者支援ネットワーク会議」=29日、徳之島署

「被害者支援条例」不可欠
見舞金制度など「全国同水準の救済に」

 【徳之島】徳之島警察署管内の2023年度「とくのしま被害者支援ネットワーク会議」が29日、同署会議室で開かれた。県警本部被害者支援室と公益法人かごしま犯罪被害者支援センター側の講話や事例検討があり、意見交換で情報を共有。被害者本人や家族に寄り添い、地域社会全体で支える「犯罪被害者等支援条例」制定の必要性も改めて確認した。

 犯罪や交通事故など被害者支援に関わる機関や団体が被害者支援について情報共有して連携を深め、被害者などに寄り添った支援を実現するのが目的。管内3町教育委員会や町、保健所など県当局、高校長など会員と幹事(関係機関)の関係者23人が出席した。

 岩下文之署長は開会あいさつで「犯罪被害などは経済的にも困窮している。全国的には自治体の見舞金制度を含む条例制定が進んでおり、徳之島3町もぜひ制定を。ネットワークもより活性化し、犯罪被害者など人にやさしく寄り添う島になってほしい」と要請した。

 講師は県警本部被害者支援室の松元直樹警部(45)と、犯罪被害者支援センターの永家南州男事務局長(65)が担当。被害者本人やその家族も精神的・経済的にも窮地に追い込む性犯罪など被害例を解説し、交通死亡事故被害者の遺族を描いた動画も視聴した。「犯罪被害(交通事故含め)は特別なことではなく、自分や家族がいつ遭ってもおかしくない。被害者支援条例を制定すれば、見舞金など全国と同水準の救済につながる」とも強調した。

 同条例制定済みの県内自治体は与論町のみ(昨年12月現在)。意見交換では「3町間で足並みをそろえた」条例案の検討・制定への加速を求める意見もあった。