天城町農業センター研修生入退所式

天城町農業センター研修生入退所式(前列3人は修了者、後列2人は新入所者)=8月31日、同町役場

「町に貢献できる農家に」
移住・就農希望が増加

 【徳之島】2023年度天城町農業センター研修生入退所式(町主催)が31日、同町役場であった。移住・Iターン者を含む3人が施設園芸品目栽培の基礎など1年課程の研修を終えて修了証書を手にし、「天城町に貢献できる農業者に」などと抱負を述べた。1995年度以降の修了者総数は64人となった。23年度入所者3人のうち移住は2人に増えた。

 町農業センター(同町瀬滝)の前身は県奄美農業総合センター。1995年に町が管理委託を受けて農業研修生の受け入れを開始した。県は02年度に全施設を同町に無償譲渡。新規就農者を優先した農業研修生(報酬あり)を受け入れ、1年間の研修終了後は、同センター内のビニールハウスなど営農施設を2年間無償で貸与する。希望者にはさらに町営の園芸施設を有料で最長3年間貸与して自立、営農安定化を支援している。

 22年度研修(22年9月1日~23年8月31日=野菜年度)の修了者は、▽三寶将登(みたかまさと)さん(28)=天城▽新田慧(あきら)さん(37)=松原▽橋本孝治さん(50)=浅間、神奈川県出身=の3人。いずれも引き続き同センター内施設を借用して新規就農者となる。栽培品目にはメロンやパッションフルーツ、マンゴー、ミニトマトなどを掲げている。

 森田弘光町長はあいさつで「2年後の自立に向けても引き続き町農政課や県でしっかりとサポートしたい」などと祝福。修了証書を手にした3人は「一人立ちをして天城町に貢献できる農家を目指したい」、「昨年5月に移住したが、居心地がよくてこの日を迎えられたことに感謝。天城町の農家として、ファッションや旅行誌などで本町が1位になれるよう頑張りたい」などとお礼を述べた。

 一方、新たな23年度入所者は▽貞山蓮斗さん(21)=天城▽杉岡絵見子さん(51)=浅間、東京都出身▽長谷川頼人さん(39)=当部、愛知県出身=の3人。うち2人は、同町の移住情報発信や移住スカウトサービスなどへの呼応も含めた移住、新規就農希望者となっている。

 県徳之島事務所農業普及課の山方誠課長は「記帳・経営管理で利益の出る農業を目指し、一人では悩まず、先輩や関係機関・団体に相談を」と励ました。