シマ唄で踊るフラメンコを

シマ唄とフラメンコが交差するステージ。徳田さんの衣裳は大島紬

違う文化に共通も感じて
志保と志帆

 【東京】シマ唄とフラメンコのライブがこのほど、東京都西日暮里のタブラオ、アルハムブラで開催された。来場者らはシマ唄に乗せて踊られるフラメンコの魅力に酔いしれた。

 これは鹿児島市内でフラメンコの教室を主宰している徳田志帆さん(41)と、喜界島出身のシマ唄歌者の永(ながい)志保さん(41)が鹿児島で出会い、シマ唄とフラメンコの共通点に意気投合し2018年から取り組んでいる活動の一環。翌年にはフラメンコギターも参加。20年はコロナ禍となり、動画で作品作りを。21年からはギターに徳永康次郎さん、カンテ(フラメンコの歌)にLAMOECOさんが加わった。今年は北九州と東京でも紹介しようと、今回のステージとなった。

 永さんの歌う「行きゅんにゃ加那」にフラメンコのシギリージャが重なり「正月着物」にロマンセが合わさり、二つの曲に乗せて、徳田さんが踊る。シマ唄とフラメンコが行き来する演出にフラメンコファン、シマ唄ファンも魅了された。

 徳田さんは、今回、秋名バラ柄の大島紬で制作された衣裳で登場した。父親の仕事で3歳から6歳まで龍郷町の秋名に住んでいた徳田さん。 龍郷町を出る時に、両親が地元の人から頂いた、反物を使った。35年の月日が経っていた。衣装の製作は、今年3月にたまたまスペインから一時帰国していた衣装製作もしている堀江啓子さんにお願いした。ファルダは乗馬用のスカートをモチーフにアレンジされていた。

 「今回は新たにパーカッションの橋本容昌(ようすけ)さんも加わり、より音楽に厚みが増した。回を重ねるごとに成長と成熟を感じる。東京、北九州で初披露でき、うれしい意見も多数いただき、大変光栄な気持ち。鹿児島での公演も控えており、より質を上げて届けたい。来年以降は県外だけでなく、海外での公演が大きな目標」と徳田さん。

 永さんは、「シマ唄を知ってもらえる機会になっている。国は違うがフラメンコの歴史とシマ唄に共通するモノを感じている。六調で会場と一つになれた」と話した。

 出演者らに、シマ唄の魅力を聞いた。LAMOECOさん=日本語でカンテを歌う活動をしている。「国は違うけれど同じ匂いがする。地球の中で人の心は同じだということを感じる」。

 徳永さん=「シマ唄の音圧がすごい。独特の声の震えにも聴き入った。ピッチの曖昧なところがなく、土着なモノだろうけれど、洗練されて整っている。ギターも合わせやすかった。いろんな人がシマ唄とコラボをする理由がわかる」。

 橋本さん=「本番前からワクワク感しかない。独特なうねりがあるので、リズム感をくみ取りながらリンクできたらいいな」。