与論町長選、田畑氏が初当選

初当選を果たし支持者と喜びを表す田畑氏

新人一騎打ち制す
投票率83・47%、行政と民間連携支持

 任期満了に伴う与論町長選挙は3日、投票が行われ、即日開票の結果、飲食店経営の田畑克夫氏(64)=茶花=が2031票を獲得し、前町議会議長の髙田豊繁氏(71)=朝戸=に598票差をつけ初当選した。無所属で新人同士の一騎打ちとなった選挙戦は、子育て支援や港湾整備、物価高騰対策などを争点に舌戦を繰り広げたが、観光協会や商工会で培った「人脈」を生かし、行政と民間の連携強化を訴えた田畑氏が激戦をものにした。現職の勇退に伴う8年ぶりの選挙に町民の関心は高かったが、投票率は83・47%と前回(2015年)の88・55%を5・08ポイント下回った。

 田畑氏は5月、「このまま人口が減れば町が成り立たなくなる。新しい時代に適した仕組みづくりが必要だ」と立候補を表明。「子育て世代への支援」を重点政策に掲げ、人口減少対策などに取り組む方針を示した。公約には、「想いどぅ力、みんなが輝く島づくり」をスローガンに、人材育成や医療福祉、教育の充実などを掲げた。選挙戦では「島のトップになって環境を変えたい」と訴え、各集落で街頭演説を展開。若者を中心に高齢者まで、幅広い年齢層から支持を得た。

 髙田氏は、6月に3期11年務めた議員を辞職し出馬を表明。現町政を引き継ぎ「行政の課題にスピード感を持って実現する」と訴えた。公約では、「住み続けたい町」を基本理念に、子育て支援や港湾整備、水道水の硬度軽減などを掲げた。選挙戦では、ほとんどの町議や有力団体などから支援を受けたが組織力を生かせず、涙をのんだ。

 投票は、同日午前7時から午後6時まで町内3か所であり、午後8時から町役場議場で即日開票された。開票所には両陣営の支持者らが詰め掛け、開票の行方を見守った。

 当日有権者数4199人(男2044人、女2155人)▽投票者総数3505人(男1737人、女1768人)▽有効投票総数3464票、無効41票▽投票率83・47%(男84・98%、女82・04%)。