手作り鶏飯好評

販売好調な手作り鶏飯をアピールする(右から)向井扶美理事長、泉健太さん、河内翔也さん、中島秀一統括局長(5日、浦上郵便局)

福岡・奄美の郵便局で販売
奄美市の三環舎 うれしい悲鳴

 障がい者が工程のほぼ全てを手作りした「レトルト鶏飯」が、奄美群島や福岡県の郵便局の店頭で販売され、好調な売れ行きを見せている。1日から販売を始め、既に300個以上を売り上げているといい、奄美市の加工場では「製造が追い付かない」とうれしい悲鳴を上げている。

 製造したのは、奄美市を拠点に在宅障がい者の社会参加と自立を目指す社会福祉法人三環舎(向井扶美理事長)。2018年に開発した島料理レトルトシリーズの鶏飯を〝郵便局オリジナルパッケージ〟で販売したもの。290㌘、630円。

 今年初め、購入した鶏飯のおいしさに感動した東(あずま)洋一・浦上郵便局長(54)が、同社の加工場を訪ねたことがきっかけだという。

 加工場に勤め、ニワトリの〝割き〟を担当している泉健太さん(23)が、丼の中に郵便局の「〒」マークをあしらったパッケージをデザインした。人目を引き売り上げに貢献しているという。 

 卵焼きを担当している河内翔也さん(30)は、「きれいな形に焼いて刻む作業が楽しい。売れてると聞きうれしい。また頑張ろうと意欲が湧く」と笑顔を見せた。

 販売開始からの売り上げは好調だが、加工場では16人で製造にあたっており、工程はほぼ手作業。「鶏がらからだしをとって丁寧に作っているため生産量を増やすことは難しい」と向井理事長は複雑な表情ながら、うれしい悲鳴。

 「奄美の食品が郵便局の店頭で販売されるのは初めて」と中島秀一・奄美地区統括局長(60)。福岡エリアを含む258の郵便局での販売について、「都市部で鶏飯を食べた人が奄美に来るきっかけになれば」と期待を込め、「販売エリアの拡大もあり得る」と話した。