市議会一般質問

「今年度中の施設案決定」目指す
中心市街地の子育て複合施設

 奄美市議会9月定例会は5日、一般質問が始まり、奥輝人(無所属)、﨑田信正(共産)、竹山耕平(自民党新政会)、奥晃郎(同)の4議員が登壇し、安田壮平市長の政治姿勢などについて質問した。市が同市名瀬港町への整備を計画している「子育て・保健・福祉複合施設」について、石神康郎福祉事務所長は「保健センター、子育て支援の機能を一体的に行う施設としての在り方の検討を行っており、今年度中の施設案決定に向け協議していく」との考えを示した。竹山議員の質問に答えた。

 複合施設は、「子育て支援」「子どもから高齢者までが生涯を通じた健康づくりをする場」「高齢者等の生きがいづくり」の3機能が一体となり、中心市街地のにぎわいの拠点にもなる施設と位置付けられ、2019年度に基本構想などを策定した。

 20年3月に示された当初計画では、22年度中の完成を予定していたが、市庁舎や市民交流センター建設の遅れ、建築コストの高騰などによる費用負担の増加が見込まれるほか、新型コロナウイルスの影響による生活様式の変化など施設建設を取り巻く状況が大きく変化したことから、市は今年3月、計画の再検討を行うことを決定。当初計画案からよりコンパクトで効率的な施設とする方針を示し、高齢者福祉機能として計画していた入浴施設などについては整備を見送る方針を示していた。

 複合施設について石神所長は「中心市街地の発展、活性化にとって重要な施設であり、市民の期待やニーズの高い施設であると認識している。庁内関係機関と連携を図りながら、取り組んでいきたい」などと答弁した。

 﨑田議員は10月からの値上げが決定している下水道料金について「物価高騰が収まらないこの時期に市民生活の困難さに追い打ちをかけるような値上げは回避すべき」とし、約40億円となった財政調整基金の活用などを求めたのに対し、安田市長は「物価高騰など厳しい状況にあることは心苦しいが、下水道の持続可能な経営を目指す上では早急な料金改定が必要。料金改定をこれ以上先送りすることは、今後の人口減少や施設の老朽化などが想定されることなどから、将来世代に負担を強いることになり難しい」などと述べ、値上げに理解を求めた。

 今年4月に全国の小学6年生(国語、算数)と中学3年生(国語、数学、英語)を対象に実施された全国学力・学習状況調査(学力テスト)の結果については、奥晃郎議員が質問。市教委は、小学校算数は全国平均並みで県平均を上回った一方、国語で全国平均を下回ったほか、中学校では3教科ともに全国平均を下回ったことを報告。村田達治教育長は「特に中学校の数学、英語については課題が大きい結果となった。学力向上につながる研修、指導の強化を行い、授業内容の充実を図っていきたい」などと答弁した。

 台風時における農産物の航空輸送については奥輝人議員が質問。市当局は、航空会社などと連携を図っていくほか、個別販売が主流となっていることで国の支援などが受けられない現状から、共販体制の確立の必要性を指摘した。