離島教育の現状体感

嘉鉄小学校の複式学級授業に参加する鹿大教育学部の学生たち

「1人1人と向き合えるメリット感じた」
鹿大の教育学部生が実習

 鹿児島大学教育学部の学生による体験学習「学校環境観察実習」が5、6の両日、奄美大島の小・中学校で行われた。2年生38人及び引率指導教員4人が来島。学生たちは3グループに分かれ、六つの小・中学校で実習を行い、離島教育の現状や複式学級などのメリット、デメリットなどを体感し学んだ。

 同実習は、離島教育の現状を体感し学ぶことにより、将来の離島赴任への不安を軽減し、離島の良さに気付くことを目的に毎年実施。今回で27回目となる。

 5日は奄美市の崎原小中学校、芦花部小中学校、緑が丘小学校、6日は瀬戸内町の西阿室小学校、嘉鉄小学校、伊子茂小学校で実習を行った。

 芦花部小中では授業見学のほか、運動会の練習では地域の人から指導を受け八月踊りも体験した。嘉鉄小では運動会の練習のほか、複式学級の授業見学を中心に実施。学生はメモを取りながら熱心に離島教育の現状を学んだ。

 嘉鉄小の実習に引率した上谷順三郎教授は「この実習は希望者が多く、全員を連れて来られないのが残念」とし、「自然の中での教育や複式学級の様子が分かって良かった。離島で教育をする上で、貴重な体験となっている」と話した。1、2年生の複式学級の授業を見学した柳田希果(ののか)さんは「少人数によるデメリットが多いと思っていたが、一人一人と向き合えるメリットや、教育者不足による教育の差が出るデメリットを感じた」と感想を述べた。

 同小の馬場隆一郎校長は「今後、教育者になりたいという気持ちが高まるとともに、離島教育に関心を持ち、将来赴任してみたいと思ってくれればうれしい」と語った。

 学生たちは奄美少年自然の家に宿泊し、7日には海浜活動やクラフト活動など奄美大島の自然や文化にも触れる。