マングース 約5年間捕獲ゼロ

環境省、22年度防除事業結果

 環境省沖縄奄美自然保護事務所は4日、2022年度の奄美大島でのマングース防除事業の実施結果を発表した。わな、探索犬による探索ともにマングースの捕獲はなく、18年4月に捕獲があって以降、約5年間捕獲ゼロが続いている。

 こうした状況から同所は「継続的にマングースが減少しており、奄美大島における現在の生息数は極めて少ない状態または根絶できている状態」と考察。引き続き島内住民からのマングース目撃情報の提供を呼び掛けている。

 発表によると、22年度の防除では一部過密だったわなラインを削減。それにより年度当初、奄美大島全体に2万2614基のわなが設置されていたが、968基のわなを撤去、同年度末時点では2万1633基となった。わなでの捕獲はなく、「全島的な低密度化が進んだものと考えられる」。

 その他の実施結果は次の通り。

 マングース探索犬=全域で440ペア日、探索ルート延長全体で1230㌔㍍に達したが、確認・捕獲なし▽センサーカメラ=島内548地点に設置。合計13万1801カメラ日の撮影努力量を投入したが、撮影されず。18年度以降マングースは撮影されていない▽目撃情報=島民から寄せられたのは7件。全ての情報について聞き取り調査などを実施。聞き取り調査から確実にマングースではないと判断できない場合は、センサーカメラの設置や探索犬による探索など対応したが、生息は確認されなかった。

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 アマミトゲネズミ及びケナガネズミ、アマミイシカワガエルなどの在来種について同所は「これまでの防除事業の成果により生息状況の回復傾向が確認されている」としている。

 マングースの捕獲数は00年度の約4000匹をピークに減少傾向。07年度に783匹、14年に71匹まで減少、18年度に1匹捕獲されて以降はゼロが続いている。センサーカメラによるマングースの撮影は、17年度の8回が最後で、18年度以降は撮影されていない。