家族で思いやる農業へ

町長らが立ち会い、協定に署名する飯田圭太郎さん、真理さん夫婦

飯田さん夫妻が家族経営協定
龍郷町で14年ぶり

 龍郷町大勝地区の農家の飯田圭太郎さん(40)・真理さん(41)夫妻は8日、龍郷町役場を訪れ、家族経営協定書を締結した。同町での協定締結は2件目で、2009年以来14年ぶり。協定を結んだ2人は、互いに思いやりを忘れず、農業や家庭、生活で協力し合うことを誓った。

 家族経営協定書は、農業経営に携わる家族世帯員が、意欲とやりがいを持って経営に参画できる魅力的な農業経営を目指し、経営方針や役割分担、就業環境などを家族で話し合って文書にするもの。協定を結ぶことで環境を整えるだけでなく、認定農業者制度や農業者年金などで有利になるといったメリットもある。

 圭太郎さんは神奈川県出身で、結婚を機に真理さんの出身地である同町に移住し、2014年に就農。現在は夫婦でマンゴーやタンカン、カボチャ、バジルなどの栽培を手掛けている。

 調印式では、経営方針や役割分担、労働条件などを定めた協定書に2人がそれぞれ署名・押印した。竹田泰典町長と同町農業委員会の岡山俊一会長が立会人として調印した。

 竹田町長は「町としてもできる限りサポートしていく。仲良く、主旨を忘れず頑張ってほしい」と激励。岡山会長は「龍郷町は特に果樹の生産者が少ない。持続可能な農業経営を目指してほしい」とエールを送った。

 調印を終えた飯田さん夫婦は「大変なこともあったが、人にも自然にも向き合う姿勢が評価され10年間やってこられた。龍郷町の農業発展に貢献できるよう、これからも2人で力を合わせてやっていきたい」と気持ちを引き締めた。