多彩なステージで楽しませた「天城エイエイオー祭り」=10日、天城町総合運動公園
名店「龍の巣」のかすうどんなどが人気を集めた出張販売ブース
【徳之島】地域の高校生と大人たちが仕掛けた地域活性化イベント、その名も「第1回天城エイエイオー祭り」(同実行委員会主催)が10日午後、天城町総合運動公園ふれあい広場であった。関西名物の「かすうどん」の出張販売をはじめ30店舗のブースが祭りムードを盛り上げる中、ステージ発表には小中高生から一般のミュージシャンまで14組が出演。開会から約7時間、家族連れなど数千人でにぎわった。
実行委員長で主導したのは同町松原、肉用牛繁殖農家・レストラン経営・町教育委員の麓正高さん(44)。歯止めのかからない徳之島の人口減少などを憂慮しつつ「高校生たちが元気に活躍するまちは未来が明るい。未来をつくる子どもたちのために高校生と大人が本気で考えた新たな祭りを」と5月頃から奔走してきた。
麓さんとの縁で今年4月、天城町役場中庭で初の出張販売を展開して本場の味を提供し、売り上げ全額は町に寄付するなど交流が始まった焼き肉とかすうどんの名店「龍の巣」(本社・大阪市)も再び共鳴。研修旅行を兼ねた社員ら総勢130人で来島。正午に開店した各種販売ブースで「ミナミ名物!かすうどん」「牛すじ煮込み」など本場の味(約2千食)を提供し、行列が続く人気ぶりだった。
ステージ部門は、昨年の民謡民舞少年少女全国大会・中学生の部で日本一に輝いた峰岡歩嬉さん(現在徳之島高1年生)ら姉弟コンビの島唄「朝花」で開演。麓実行委員長の開会宣言、森田弘光町長の祝辞に続き、小中高生らミュージカルグループ「結シアター手舞」(約40人)の「天城エイエイオー祭りバージョン」をはじめ、町内外からのダンスグループ、アーティストらのライブステージで楽しませた。水平線を真っ赤に染めたサンセットを見届けながら午後8時ごろまで続いた。
本場の味で盛り上げた㈱龍の巣ホールディングスの畑博貴代表取締役・大将(51)は「出張販売以降、麓さんと島の若者たちの未来に向けて何か大人ができることはないかと話していた。社員の研修旅行先は沖縄などだったが、人々が優しくて温かい徳之島・天城町に変更。社のモットーは各出店地域を照らす『マチテラス』。今後も交流を続けたい」と語った。
徳之島町亀津から妻子4人で訪れていた起島喜則さん(41)は「新型コロナの影響でイベントが少なかったが、家族連れで楽しめるこの祭りを続けてほしい」と話していた。