網に絡まった雄ヤギ救出

角に網が絡まったヤギを救出する今里小の中村校長(右)と用務員の上野さん(岡さん撮影、12日午後2時頃)

大和村今里集落 奄美市・岡さんと今里小・中村校長ら
子ヤギ2頭と一緒に山へ

 大和村今里集落で12日、農業用の防護網に絡まり身動きが取れなくなっていたヤギ1頭を、奄美市名瀬末広町の不動産業、岡信一郎さん(75)が見つけ、近くの今里小学校の中村利之校長(60)らと一緒に救出した。鎌や剪定(せんてい)ばさみを使って絡まった網を取り除いてやると、ヤギは近くにいた子ヤギ2頭と一緒に山を駆け上がるようにして逃げていったという。

 写真が趣味という岡さんが同日午後、同集落前の立神を撮影しようと海岸を歩いていると、集落外れにある乙平山(うつびらやま)の近くで、手足や角が網に絡まった状態の雄ヤギ1頭を発見。山の中腹では子ヤギ2頭が心配そうにのぞき込む姿もあったという。かわいそうに思った岡さんは、近くの今里小に助けを求めた。

 岡さんから事情を聞いた中村校長は同校用務員の上野浩一さん(41)と一緒に、鎌と剪定ばさみを持って駆け付け、手足の網を鎌などで取り除いてやった。暴れながら逃げようとするヤギを上野さんが抑え、最後は中村校長が角に絡まった網を取り払ってやった。

 雄ヤギは勢いよく山を駆け上がり、心配そうに見ていた子ヤギの元に駆け付け、岡さんらの方に一瞬、目を向けると再び、山の上へと駆け上がっていったという。岡さんは「助けてあげたことに感謝しているようだった」と話した。

 中村校長によると、乙平山には、数頭のヤギが生息しており、集落内の畑などでは、防護網を張って農作物が荒らされないよう守っているという。

 中村校長は「集落の人たちにとってヤギは農作物を荒らす有害鳥獣でもあるが、心配そうに見守る子ヤギを見ていると、かわいそうに思い助けた。これに懲りて畑などに近寄らないようになってくれたらうれしい」と話した。