安木屋場ソテツ緊急伐採へ

安木屋場ソテツ群生地の麓部分で被害が確認された


ソテツ葉に付着している外来カイガラムシ

外来カイガラムシ対策で龍郷町
一般家庭に薬剤補助も

 龍郷町安木屋場(あんきゃば)集落のソテツ群生地に外来カイガラムシ(CAS)の被害が確認されたことを受け竹田泰典町長は緊急伐採を行うと明らかにした。13日の龍郷町議会一般質問で、伊集院巌議員の質問に答えたもの。例年冬に行っている山の管理作業の予算に加え、拡大防止のため感染株の完全伐採などを行う補正措置を行った。急斜面の作業はあまみ大島森林組合に依頼するという。

 同集落のソテツ群生地は約15万平方㍍に及び奄美群島では最大規模。国立公園第2種特別区域に指定され、展望所から全体を眺望できることもあり観光名所の一つとなっている。

 昨年10月頃から奄美市名瀬地区で広がりを見せたCASは、年末には同集落の海岸沿いの県道の一部でも確認された。県の専門技術者の全島調査で瀬留~龍郷集落間が0~90%、同集落は0~10%の感染率と報告されたという。

 同町農林水産課によると、群生地での被害は、同集落の住民から8月26日に情報提供があり明らかになったという。同課が現地調査を実施し、外来種と判別されたため、28日に竹田町長を交えて協議した結果、観光振興費として予算化されている管理作業の50万円に加え150万円の補正措置を行った。

 伊集院議員からは「ドローンによる防除作業はできないか」との質問もあったが、葉の根元に薬剤を浸透させるのは困難と判断したという。

 伐採の実施日程は近日中に決まるが、感染株の完全伐採、感染葉の除去と浸透移行性の薬剤(商品名=マツグリーン液剤2)の併用などの対処は現場で行う。

 竹田町長は「関係機関と連携し、被害の拡大防止に努めたい」と述べた。

 同町では、一般家庭向けに同薬剤(500㍉㍑=1000円)の半額補助を7日から開始しており、30人以上が購入に訪れているという。