県議会代表質問

補給基盤整備が目的
古仁屋港周辺、自衛隊艦艇の施設計画
個別避難計画作成遅れ 業務フロー提示へ

 県議会9月定例会は13日から代表質問に入り、同日はいずれも自民党の伊藤浩樹議員=出水市区=、園田豊議員=南さつま市区=が登壇した。馬毛島での自衛隊施設整備に関連し伊藤議員が、防衛省が古仁屋港周辺で検討している自衛隊艦艇の輸送・補給拠点の整備を取り上げたのに対し、当局は補給基盤整備が目的とした。

 長島和広・危機管理防災局長の答弁によると、想定している施設の整備は係留岸壁、燃料タンク、倉庫、コンテナヤードなど。長島局長は「今後、測量調査、土質調査、環境調査、配置検討を行い、その結果を踏まえ具体的な整備計画を作成すると伺っている」と述べた。

 防災関係で、市町村による個別避難計画作成が遅れていることについて長島局長は「避難行動要支援者の心身の状況に応じた避難方法を個別に検討する必要があり、計画作成のスキルを持つ人材の不足や避難を支援する人材、在宅患者の移動手段や医療機器、電源等確保などの課題があり、市町村において作成が進んでいない」と説明。

 作成の意義については「避難行動要支援者の円滑・迅速避難で重要なものであることから、作成を促進する必要がある」との認識を示した。作成促進のための支援では、▽福祉専門職など多職種が共同して計画を作成する組織など国のモデル事業による先進事例紹介▽市町村を個別に訪問し、計画作成にかかる課題について助言―を挙げ、今後さまざまな事案に対応する業務フロー(プロセスを図で表す)を提示していくとした。

 県産農林水産物輸出促進に向けた取り組みは塩田康一知事が答弁。2022年度の輸出額は約327億円となり前年度に引き続き11年度の公表開始以降最高額を更新したが、知事は「25年度輸出目標額約500億円の達成に向けて今年度、輸出商社やコンサル等の専門家が参画し、官民一体となった輸出推進体制を構築するため、新たに『GFP(農林水産物・食品輸出促進プロジェクト)鹿児島』を設置した」と報告。フォーラムやセミナー、輸出商社とのマッチングイベントを開催するとともに、海外の規制や大ロットなどのニーズに対応する輸出産地の形成に取り組んでいるとした。

 屋久島と奄美の二つの世界自然遺産がある全国唯一の県として、連携しての魅力発信については悦田克己観光・文化スポーツ部長が答弁。「観光誘致で大きなセールスポイントになる」として県は、登録前に両地域の市町村や観光関係事業者などと連携して屋久島と奄美を周遊する観光ツアールート作成のためのワークショップやモニターツアーを実施。登録後も両地域の観光関連事業者と連携しオンラインによる周遊ツアーを開催するなど「魅力発信の取り組みを行ってきた」と述べた。また、両地域において今年1月には日本の世界自然遺産5地域の市町村などによる「世界自然遺産5地域会議」を設立。25年の大阪関西万博で共生や環境文化などのメッセージ発信を計画しているとした。

 14日も代表質問がある。