国際宇宙ステーション「きぼう」の軌道撮影

国際宇宙ステーション「きぼう」の通過を示す軌道を西康範さんが撮影した(14日午後7時13分)

西さん「雲なく目視できた」

 国際宇宙ステーション(ISS)の施設の一部である日本実験棟「きぼう」が現在、日本列島を通過しており、肉眼でも観察可能となっている。14日夜には奄美大島上空の通過を示す軌道を奄美市名瀬の西康範さんが撮影、山影に隠れる直前に捉えた。

 JAXA(ジャクサ)(宇宙航空研究開発機構)によると、14日は「きぼう」が午後7時10分頃から日本付近を通過し、西さんが「きぼう」の軌道を目撃したのは、同7時10分から15分にかけて。「軌道線の北西方向は雲もわずかで、目視でも良く確認できた」。金星や木星など大きな星のような大きさで、観測しやすい条件に恵まれたものの、スピードが速くて三脚で固定したカメラを身構えるのに苦労したという。

 撮影した時間帯には「きぼう」内から古川聡宇宙飛行士が記者会見(軌道上)。軌道を撮影した「きぼう」内からの古川さんの声を耳にしたことで、感慨深かったという。

 気象情報会社ウェザーニューズによると、日没後や日の出前に国際宇宙ステーションが上空を通過すると、一番星のような明るい点が最初はゆっくり、天頂に近づくほど速く動いているように見えるという。観測のポイントとして「できるだけ空が開けていて、周りに高い建物が少ない場所」を挙げている。

 「きぼう」は日本初の有人宇宙施設。飛行士がさまざまな実験をする「船内実験室」、実験資材など収納する「船内保管室」、宇宙空間での「船外実験プラットホーム」などからなる。