伊仙町面縄「農福連携」拠点

地鎮の儀(鍬入れ)で㈱奄美ブルー・スカイ農園の榮時弘代表取締役=18日、伊仙町上面縄

バレイショ集出荷貯蔵施設など着工
事業主体は㈱奄美ブルー・スカイ農園

【徳之島】伊仙町が計画主体の農山漁村振興交付金事業(農水省)「同町面縄地区活性化計画」(2022年度~26年度)。同事業主体となっている㈱奄美ブルー・スカイ農園(同町面縄、榮時弘代表取締役)による「バレイショ処理加工・集出荷貯蔵施設新築工事」と「農福連携拠点施設改修工事」の安全祈願祭が18日あった。「農福連携」での障がい者就労継続支援と併せ、規格外農産物の利活用・商品化に期待を寄せ合った。

面縄地区活性化計画の基本概念は「農福連携と遊休施設の活用により長寿・世界自然遺産の伊仙町に新たな農業・新たな雇用の創出」。具体的事業は、①バレイショ生産農業用機械設置(22年度実施済み)②農福連携拠点施設(旧・町保健センター施設472平方㍍の改修、23年度)③バレイショ処理加工・集出荷貯蔵施設(鉄骨造平屋600平方㍍建設ほか選果機、真空パック機器各1式、同年度)④地域農産物生産低コスト耐候性ハウス(トマト、パッションフルーツ生産ハウス1000平方㍍1棟、24年度)など。

総事業費は2億2114万円(国交付金50%、事業主体負担50%)となっている。

作業要員などは、アルコールや薬物依存症や障がい者たちの社会的自律・参加・貢献をサポートしている同社傘下の就労継続支援B型事業所、NPO法人ブルー・スカイ(同町伊仙、阿部哲弘施設長、現利用者10人)も連携していくという。

安全祈願祭は、関係者約35人が参加して同町上面縄のバレイショ処理加工・集出荷貯蔵新築工事現場であった。大久保明町長はあいさつで「農福連携を中心に障がい者の方々の雇用が生まれる。約2割と言われる出荷規格外品のバレイショの加工、商品化は大きな前進」と期待を寄せた。

県本土で依存症などの障がい者就労継続支援事業所を運営している、事業実施主体の榮代表取締役(68)=同地出身=は「私たちが目指す最終目標はノーマライゼーション社会。障がいのある人もない人も同等に生き生きと暮らせる社会の実現。終わりのない旅路だが、出会いと出来事すべてが〝宝〟となって生きがいをもたらしてくれると思う」などと協力を求めた。