大川ダムでビオトープ観察会

水草が生い茂る池で行われたビオトープ観察会(24日、大川ダム)

ヤゴを手に並べ感触を確かめる子どもたち

希少ミナミメダカも
奄美野鳥の会

 奄美野鳥の会(永井弓子会長)は24日、奄美市名瀬朝戸の大川ダム敷地内のビオトープで水生昆虫・生物の観察会を開いた。親子連れなど22人が参加し、希少なメダカやゲンゴロウなどを採集、生態を学んだ。子どもたちはイモリやヤゴを手に取り、夢中になって感触を確かめていた。

 ビオトープとは本来、自然の中に広がる「生物生息空間」を指す。近年、自然を模して人工的に作った池などもビオトープと呼ばれるようになった。観察会が行われた場所は、2002年に奄美市が市民の憩いの場に活用しようと盛り土を行い、ダムから水を引いて作った大小三つの池などからなる。

 池には、水辺に生えるシソクサが赤い花を咲かせ、1㍍ほどもあるカンガレイが茂る場所もあった。同会会員の山室一樹(かづき)さん(62)が採集方法を教えると、戸惑っていた子どもたちも次第にコツをつかみ、次々と採集していった。

 約1時間で、絶滅危惧Ⅱ類に指定されている在来種ミナミメダカ、アマミシリケンイモリの幼生、黒地に黄色い線の入ったオキナワスジゲンゴロウなど希少な生物が見つかった。

 山室さんと同会会員の西誠弘さん(51)が、マツモムシやヤゴなどを小型のフラット観察槽に入れ、特徴や生態などを説明すると、参加者はじっと中をのぞき込んでいた。

 兄弟で靴を泥だらけにしていた名瀬小2年の山之内颯人(はやと)君(8)は「シリケンイモリは腹がぷにぷにしていた」、同1年の晴大(せいた)君(7)は「池の底の泥が気持ちよかった」と話し、大きなヤゴやイモリの感触をいつまでも楽しんでいた。