「ダイサギソウ」開花

開花が確認された絶滅危惧種「ダイサギソウ」(西康範さん撮影)

奄美大島の山中
純白の清楚な花

 奄美大島の山中で、白く清楚な花「ダイサギソウ」が開花しているのを西康範さんが撮影した。絶滅危惧種。盗掘が繰り返されることもあったが、例年通りに咲いており、自生の環境が保たれることで秋の野山に彩りを添える。

 『奄美の絶滅危惧植物』(山下弘さん著)によると、ダイサギソウは千葉県以西に分布する地生ランで、奄美群島では奄美大島、徳之島に分布。日当たりの良い林縁に生え、純白の花は長さ2~2・5㌢と小さい。花期は9~10月。和名の由来は花の形がシラサギの飛ぶ姿に似ていることから。

 奄美大島5市町村は2013年、希少な動植物の保護を目的に共通の保護条例を制定。盗掘により株が年々少なくなっている自生地もあるダイサギソウを含む植物35種と動物22種を指定して捕獲や採取を禁じており、違反した場合、1年以上の懲役か50万円以下の罰金が科せられる。