無料健康相談「暮らしの保健室」

家族連れなどが訪れ、にぎわいを見せた「暮らしの保健室」(瀬戸内町のせとうち海の駅)

「人がつながる場所に」
瀬戸内町海の駅で県立大島病院・小徳医師ら

瀬戸内町古仁屋の「せとうち海の駅」で8日、無料で健康相談などを受け付ける「暮らしの保健室」が開かれた。奄美市名瀬の県立大島病院産婦人科・総合診療科の小徳(ことく)羅漢医師(31)らが中心となった取り組みで、会場ではコーヒーやお菓子などが無料提供され、バルーンアートを楽しむコーナーなどもあり多くの家族連れらが訪れた。妊婦や赤ちゃんを連れた夫婦らも足を止め、小徳医師と会話を楽しみながら出産や子どもの成長などについて悩みなどを相談した。

暮らしの保健室は全国各地で行われている地域支援の取り組み。奄美では昨年8月から小徳医師らが奄美市名瀬の商店街などを中心に活動を続けており、これまでに計8回開いている。

瀬戸内町での開催は今回が初めて。同町・加計呂麻島で助産師をしている久野真澄さん(69)が、小徳医師らの活動を知り、同町での開催を企画した。この日の保健室には、小徳医師や久野さんのほか在宅医療に携わる研修医や看護師、介護士、奄美看護福祉専門学校の学生、古仁屋高校の生徒ら約10人がボランティアで参加。綿菓子づくりやバルーンアートを楽しむ家族連れや、シマ唄などが披露されると、足を止め聴き入る人の姿もあった。

この日は、小徳医師が出産に携わった赤ちゃんを連れた母親も姿を見せ、子どもの成長を報告し子育ての悩みなどを相談していた。

小徳医師は「取り上げた赤ちゃんの成長を見ることができるのは医師としてこの上ない喜び」などと話し、暮らしの保健室の活動について「病院の敷居を高く感じてしまう人も多い。ちょっとした不安や困り事、薬では治せない悩みなど、誰かに相談することで安心できることも多い。医療者に限らず活動の輪が奄美全体に広がることを期待している。踊り笑いあっていろんな人がつながる場所になれればうれしい」などと語った。

助産師の久野さんは「多くの人が関心を持ってくれた。これからも継続して活動を続けていきたい。できれば加計呂麻島でも保健室を開催したい」と抱負を語った。