奄美糖業労連 農水省など要請活動

宮下一郎農林水産相に要望書を手渡す資村委員長(左)

増産基金の継続支援を

 【東京】奄美糖業労働組合連合会(資村(すけむら)浩之中央執行委員長)は12日、日本食品関連産業労働組合総連合会、さとうきび委員会、全沖縄製糖労働組合と合同で農林水産省を訪れ「砂糖制度の堅持及び経営安定対策・サトウキビ生産振興等の要請」について中央要望を行った。宮下一郎農林水産相は要請に理解を示していた。

 要望内容は、①糖価調整制度の堅持②サトウキビ増産基金の継続支援③肥料価格高騰に対する継続的支援④サトウキビ生産安定対策支援⑤台風被害に対する支援―についての5項目。

 資村委員長は「南西諸島の基幹産業となっているサトウキビ農家が、安定的生産をするには国の支援が必要」と要望の目的を説明。迷走した台風6号による大きな被害が、久米島などであったと報告した。一方、被害が少なかった離島でも「徳之島などでは、台風による二次的な鳥獣被害も発生した」ことから、気象災害等に対する緊急支援を行うためのセーフティーネット基金の継続を訴えた。

 一団からの要請に対して宮下農水相は、「(大臣)就任前に、2回サトウキビ農業の視察に行って、皆さんの苦労、重要性を感じてきた」と述べた。加えて「日本の食料や安全保障にも重要であり、しっかりと要望に沿うようにしたい」と応じていた。

 要望を終えた資村委員長は「国の継続的支援をいただき、心強く感じた」と手応えを披露した。また、重要課題とする人手不足については「北海道とのローテーションで、季節工を確保するなどの話を大臣からいただいた。今後、進めていただければありがたい」と振り返った。その後、一団は財務省で同様の活動を行い、解散した。