和泊町 ゼロカーボンシティ説明会

ゼロカーボン事業について意見を交わした町民説明会(和泊町)

「島の景観壊さないか?」
町民から意見も

 【沖永良部】和泊町ゼロカーボンシティ町民説明会が12日から始まった。初日は同町の玉城字公民館であった。現在進められている脱炭素先行地域事業について説明を受けた住民からは「島の景観が壊れる心配はないか」「町民にメリットはあるのか」などの意見が出た。

 沖永良部2町は、環境省の「脱炭素先行地域」に選定され、現在、国の脱炭素先行地域交付金事業を活用してゼロカーボンシティの構築に取り組んでいる。

 説明会には、地域住民約20人に対し、役場側は前登志朗町長や川畑裕一副町長、脱炭素推進室のメンバーら6人が参加。前町長は「沖永良部島の脱炭素社会の構築が世界のひな型となり、沖永良部島モデルが世界を牽引(けんいん)する大きなチャンスだと考えている。事業を確実に前進させたい」とあいさつした。

 役場担当職員が脱炭素先行地域事業について説明。2018年の町の温室効果ガスの排出状況を示し、「今回の脱炭素先行地域事業では、CO2排出量の割合が多い家庭や民間事業者の脱炭素化を重点的に行う」とした。ごみの資源化に向けては「燃えるごみを細分化し、紙やプラスチックを資源として再利用することで、焼却するごみの量を減らしたい」と述べた。

 このほか、エネルギーの地産地消を図るマイクログリッド事業の対象エリアの変更や公共施設の省・創・蓄エネ化などについて説明した。

 質疑では、住民から「公共施設の脱炭素化を進めることで町民へのメリットはあるのか」「沖永良部独自の脱炭素化の取り組みを考えることができないか」などに加え、農業分野の脱炭素化やEV車の購入補助を求める声もあった。「太陽光パネルの設置で島の景観が壊れる心配はないか」との質問に担当職員は「森林を開発して太陽光パネルを設置するようなことは考えていない。今年度、再生可能エネルギーの導入を促進する区域について調査を行う予定。豊かな自然を残しながら、事業を進めていきたい」と答えた。

 説明会は全4回行う。次回以降は13日に同町防災拠点施設やすらぎ館、16日は国頭字公民館、17日は内城字公民館でいずれも午後7時から開催される。