沖永良部与論地区 広域事務組合消防設立40周年

消防設立40周年の節目を祝った沖永良部与論地区広域事務組合の記念式典(14日、和泊町の防災拠点施設やすらぎ館)

島民の安心安全守る
和泊町で記念式典

【沖永良部】沖永良部与論地区広域事務組合消防設立40周年記念式典が14日、和泊町防災拠点施設やすらぎ館であった。南3町の関係機関から約80人が参加。40年を節目に島民の安心安全を守り、福祉向上に努めていく決意を新たにした。

同組合は1983(昭和58)年に沖永良部与論地区消防組合として発足し、99(平成11)年に介護認定審査の業務が加わり、沖永良部与論地区広域事務組合に名称を変更した。

あいさつで組合管理者の前登志朗・和泊町長は「いつ大規模な自然災害が起きてもおかしくない状況で、地域防災体制の充実強化は重要な課題だ」と述べた。

式典では、傷病者の救助に協力したとして航空自衛隊第55警戒隊と、違反対象物の是正に取り組んだとして消防職員の久保遼河さんに表彰状が贈られた。

記念品の贈呈後、職員発表があり、「救急の予防」をテーマに登壇した与論分遣所の山本翔史さんは「人を助けるためには消防だけでは不可能。現場に居合わせた人『バイスタンダー』の協力が必要不可欠だ」と述べ、子どもの頃からの救急教育の重要性を呼び掛けた。

次に、沖永良部消防署の松岡範さんは「離島消防における新型コロナウイルスへの対応」と題し、管内でコロナ感染者が初めて確認されて以降の対策や署内での取り組みを説明。「感染拡大で消防本部の勤務体制が危機的状況に陥ったが、沖永良部と与論で互いに情報を共有し、人的応援で乗り越えた」などと述べた。

救急訓練の披露もあり、入浴中に男性が意識を失い、心肺が停止したとの想定で行われた。職員らは、患者の措置と同時に家族に対して分かりやすく処置の方法を説明する様子を実演した。