銀座もとじで片岡鶴太郎さんの「額裏」特別展示

作品を囲んで(左から)泉二啓太社長、片岡鶴太郎さん、泉二弘明会長
「不動明王」には燃え立つ炎のような、生駒暉夫さんによる染めが見られる

限定15点、18日まで「男の粋を感じて」

【東京】中央区銀座で着物専門店を展開する「銀座もとじ」(泉二(もとじ)啓太社長)で、俳優で画家の片岡鶴太郎さん(68)が初めて手掛けた額裏(羽織の裏地)が特別展示されている。このほど記者会見が行われ、きっかけなどが明かされた。男の美学を感じられる限定15点に出会える特別展示は18日まで。

特別展示を前に行われた記者会見には、泉二社長(39)と片岡さんが出席。初挑戦することになった経緯などをトーク形式で説明。テレビ番組出演を通じて、泉二弘明会長(73)(当時社長)と十数年前に知り合ったエピソード、啓太社長就任祝いとして、今回書き上げたことなどユーモアを交えて紹介した。

作品は全15点。墨のにじみや筆のタッチを駆使した、感性が力強くも、繊細に表現されている。また、絵と独特の書により詩的な要素が加味され、語り掛けてくるような世界観が魅力的だ。ふく、寿、不動明王などのほか、鷹(たか)の絵には「鷹は死すとも穂はつまず」の書が添えられ、粋、男の美学が凝縮されている。思いが込められた原画に、東京友禅作家の生駒暉夫さんが地染めしたことで完成に至った。

片岡さんは「素材を会長の出身地、奄美なら何を描くか」の問いに「サンシンでしょうか」と笑顔で応答。「奄美関係の題材があれば、ぜひ教えてほしい」と興味を示していた。弘明会長も「次は、奄美を題材にしてもいいですね」と相好を崩した。

「『男の粋は羽織の裏~片岡鶴太郎、男の粋を描く~』」と銘打たれた唯一無二の作品に出会える特別展示は、18日(午前11時~午後7時)まで。会場の「銀座もとじ和染」は、中央区銀座4の8の12。